導入事例

Brompton社:グローバルな決済による進路の開拓

折り畳み自転車とグローバルな決済で顧客の心をつかむ

5 1月, 2020
 ·  1 分
Brompton bike

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車輪の再発明

事の起こりは、魔法のじゅうたんでした。

都心に通勤するAndrew Ritchie氏は、他の大勢の通勤者と同様に、公共交通機関の利用にうんざりしており、解決策を探していました。 Andrew氏は次のように語っています。「大勢の人々が以前から手に入れるのを夢見ていたもの、つまりポケットに入れて持ち歩ける魔法のじゅうたんが欲しかったんです。」 しかし、魔法のじゅうたんは無理なので、その次に良いものを作ることにしました。 それは、腕で抱えて電車に飛び乗れるほど軽く、長距離を走っても問題のない頑丈さを備えた、折り畳み可能な自転車です。 電車の遅延や道路渋滞への完璧な対抗手段となるため、毎日の通勤を自由にコントロールできます。

こうして生まれたBrompton Bikeは、1975年に完成した初めてのプロトタイプから一貫して、ロンドンで手作業による微調整が施され、流線型の堅固なモデルに仕上げられています。 同社は何よりもまず、自転車メーカーであるため、製品の品質に高い誇りを持っています。 同社の自転車は1台ずつ注文者専用に作られ、1,700万通りの組み合わせからカスタマイズできます。 どの製品も、60人を超える職人の手を経て完成に至ります。 部品は、高度な熟練を必要とするろう付け技術を用いて接合され、熟練工は自分がろう付けした部品に署名を残します。

顧客への直販ルート

自転車製造技術を芸術の域にまで高めた同ブランドにとって、次の課題は販売と配送を自らコントロールすることでした。 それ以前、顧客は自転車をオンラインでデザインすることはできましたが、購入手続きを終えるには、最寄りの販売店を訪れる必要がありました。 これでは、Brompton社は顧客に関する貴重な洞察を得られないばかりか、購入者の買物体験をコントロールする権限も放棄することになります。 そこで、同社は自前のEコマースサイト開設を決定し、その業務をAdyenに依頼しました。

顧客体験部門の責任者を務めるHarry Mann氏は、次のように述べています。「6つの市場でサイトを公開するまでの3か月間で、当ブランドならではの顧客体験を確実に提供する準備を整える必要がありました。全市場にわたって決済を一度に処理するAdyenの単一のグローバル決済プラットフォーム により、これが可能になりました。 おかげで、迅速かつ簡単にサイト運営を開始できました。 このサイト開設は大成功で、コンバージョン率が瞬く間に高まりました。」

オンラインでも店舗でも、迅速なサービスを提供

Brompton社がオンライン販売のコンバージョン率を高めることができるよう、Adyenはモバイル向けに最適化されたチェックアウトを作成し、1ページにまとめました。 Brompton社が決済をホストすることで、トラブルの元となる外部URLへのリダイレクトをなくしました。 一方、決済データはすべてAdyenのサーバーでホストし、面倒なPCIコンプライアンスの手間を一掃すると同時に、購入者データのセキュリティを維持しました。

Harry氏は次のように述べています。「私たちは、人々が当社の製品とサービスにかつてなく簡単にアクセスできるようにしたいと考えました。 現在、オンラインで注文を受けることにより、顧客体験をエンドトゥーエンドでパーソナライズし、その過程で顧客について詳しく知ることができます。」

顧客との関係を強化するもう一つの重要な方法は、店舗での体験です。 Brompton社は現在、「Brompton Junction」の店舗ネットワークを世界中に拡大し、一連の追加的な体験を提供しています。 例えば、旗艦店であるニューヨークシティ店は、Brompton自転車のオーナーが集まって、質問したり互いに知り合ったりできる場所として作られています。 また、訪問者が自転車を借りて、Bluetooth対応のヘルメットを使って他の訪問者や店員と会話することもできます。

世界中の顧客のためのグローバルな決済

現在、非常に有名になった折り畳み可能なBrompton Bikeは、欧州、米国、アジアの45か国で高い人気を博しています。 そして、市場によって言語が異なるのと同様に、グローバルな決済も地域によって異なります。 例えば、オランダの顧客にとってはオンラインバンキングサービスの「iDEAL」を使って支払いを行うのが普通です。 一方、中国の顧客はAlipay、銀聯(Union Pay)、WeChat Payを好んで使用します。

アジア全体でビジネスを加速

アジアにおいては、Brompton社は他の地域とは非常に異なる形で消費者の関心を集めています。 同社の自転車は通勤の道具ではなく、趣味の世界のステータスシンボルと見なされているのです。 アジアでこの強力なブランド資産価値を維持することで、同社はこの地域全体に溢れている安っぽい模倣品との競争を回避できています。

また、アジア全体にわたり、顧客の人口統計の面でも大きな相違が見られます。 日本では、典型的なBrompton社の顧客はライクラパンツを身に付けた中年男性です。 韓国では、「自分のBromptonを飾り立てる」ことに専念する一つのサブカルチャーが存在し、そこでは高度にカスタマイズされたBrompton Bikeがソーシャルメディアに投稿されています。 韓国のソーシャルネットワークサービスであるLineはBrompton社と協力し、Lineのブランドマスコットの「ヒヨコのサリー」が世界中を旅するのに使うためにカスタマイズされた自転車をわざわざ作成しました。

Brompton社が成功を収める上で、このような地域性を理解して対応することが極めて重要です。 顧客体験をローカライズするには市場に関する知識を利用しますが、その最初の手順は地理情報に基づいたウェブサイトのパーソナライズと、グローバルな決済への対応です。 その次の手順は、各市場で最も関連性が高いチャネルで自転車を購入可能にすることでした。 例えば中国では、WeChatが重要な購入チャネルで、消費者は$2,600の自転車をモバイルアプリで購入することに何の抵抗も感じません。そこで、Brompton社はWeChatストアを開設し、アプリ内とEコマースサイトの両方でWeChat Payを受け付けることにしました。

グローバルな事業運営の合理化

Adyenは、Brompton社がグローバルな決済をカスタマイズできるようにするだけでなく、各市場での不正利用検知・防止も簡単にカスタマイズ可能にして、現地コンバージョン率を低下させずに同社のセキュリティを維持しています。 また、Brompton社は様々な市場でそれぞれ異なるビジネスモデルを柔軟に管理することができます。中国の販売店から集金した代金を英国で決済することも可能ですし、米国に本拠を置くBrompton Inc.が資金を国内で決済することもできます。

ユニファイドコマースによる業務の統合

Brompton社にとっての次なるステップは、オンラインとオフラインの販売チャネルを結び付けて、さらに優れた顧客体験を生み出すことです。 潜在的な購入者がBrompton社のウェブサイトをクリックした瞬間から、その購入者が自転車に乗って店を離れるまで、その過程で集められたデータは、各購入者の全体像を構築するのに役立ちます。

Adyenのユニファイドコマース・ソリューションにより、Brompton社はオンラインと店舗の両方の決済を1つのシステムで管理できます。 顧客の完全な購入履歴が1つのダッシュボードに入力され、1か所で閲覧できます。

Brompton North America社の社長を務めるRich Spencer氏は、次のように説明しています。 「実店舗での小売やクリック&コレクト、あるいはその他のデジタル・トランザクションでも、これらのやり取りは世界のどこにおいても、すべてAdyenによって対応できます。 レポート作成機能とデータの水準には、とてつもない潜在的価値があり、私たちが社内で適切な戦略的決定を下す上で役立ちます。」

Harry氏は次のように述べています。「顧客について深く知れば知るほど、顧客により良いサービスを提供できます。 Adyenのテクノロジーによって、私たちは販売チャネルを統合し、データを活用することができ、それが新たな強みを次々と生み出します。 当社にとってAdyenとのパートナーシップは、成長戦略に必要不可欠なものです。 当社は、ローカライズされたコントロールを伴うグローバルな概要からメリットを得ており、顧客についての詳細を常に学び続けています。 私は、Adyenと共に歩む未来に待ち受けているものについて、非常に胸を躍らせています。」




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