レポート

ユニファイドコマース完全ガイド

ユニファイドコマースについて、そして企業が柔軟なクロスチャネル体験を創出する上でユニファイドコマースがどのように役立つかについて、そのすべてを紐解きます。

2024年3月21日
 ·  8 分

ユニファイドコマースとは、次世代のオムニチャネル決済体験です。消費者の嗜好や期待が絶えず変化し続ける中にあっては、柔軟なオムニチャネル体験を提供するだけではもはや十分とは言えず、より優れた体験を提供できるユニファイドコマースに注目が集まっているのです。

店舗での商品購入であれ、レストランでの注文であれ、顧客はデジタルと実店舗とが柔軟に交わるクロスチャネルの体験を求めています。そんな中で新たなスタンダードを打ち立てた企業もあります。そしてこれは、顧客がどこにいても一貫性のある体験を提供したいのであれば不可欠です。

企業は顧客を深く理解し、期待を超える体験を実現する必要があります。この理解に到達するためには、すべての支払い、チャネル、業務を単一のプラットフォームでつなぐ必要があります。そうすれば、クロスチャネルの顧客インサイトを活用し、顧客に柔軟な体験を提供し、顧客との関係を深めてロイヤルティを構築していくことが可能になります。

このガイドでは、ユニファイドコマース(OMO決済)の世界を詳しくご紹介します。顧客への理解を深め、顧客が望む体験を実現するために必要なあらゆる情報が含まれています。

この記事では、以下の内容をご紹介します:

  • ユニファイドコマースとは?

  • オムニチャネルとユニファイドコマースの比較

  • ユニファイドコマースの利点

  • ユニファイドコマースの仕組み

  • ユニファイドコマースが効果的なビジネス

  • ユニファイドコマースの例

  • Adyenのユニファイドコマースソリューション

ユニファイドコマースとは?

ユニファイドコマース(OMO決済)とは、オムニチャネルをさらに1歩進めたものです。ユニファイドコマースでは、すべてのチャネルとシステムからのデータを1つの一元化されたプラットフォームに集約するため、在庫、顧客、および決済の状況を今まで以上に統合的に把握することが可能になります。その結果、さらに優れたインサイトを入手でき、ビジネスの意思決定にも役立ちます。

A woman using click and collect, picking up her purchase in store

オムニチャネルとユニファイドコマースの比較:違いは何か

オムニチャネルとは、すべての顧客対応チャネルを接続し、顧客ジャーニーのチャネル間でスムーズな流れを確保することを意味します。複数の異なるチャネルを接続すれば、顧客はジャーニーを1つのチャネルで開始し、別のチャネルで終了することも可能になります。例えば、ある商品をオンラインで購入し、店舗で返品することもできます。これにより、企業は複数のチャネルにわたって、今まで以上にパーソナライズ・カスタマイズした体験を提供できるようになります。

オムニチャネル企業はすでに、優れたクロスチャネル体験を顧客に提供していますが、その舞台裏ではシステムがうまく連携できていないケースもよく見られます。オムニチャネルとユニファイドコマースの主な違いは、ユニファイドコマースではすべての顧客対応システムとバックエンドシステムも統合されている点です。

ユニファイドコマースでは、すべてのチャネルからのデータが1つのプラットフォームに集められるため、顧客ニーズを把握しやすくなるほか、ビジネスを迅速に拡張するための新技術も導入しやすくなります。

ユニファイドコマースの利点

ユニファイドコマースソリューションでは、すべてのデータが1つのシステムに集約されます。その結果、企業は効率性を高め、顧客体験を向上させることが可能になります。

統合アプローチを採用することで企業が達成できることを以下に挙げていきます。

顧客の柔軟性の向上

近年、消費者の行動は劇的に変化しています。従来は、買い物と言えば、店舗に出向き、探している商品を見つけ、POSレジで支払いをすることでしたが、コロナ禍の以前ですら、スマートフォンを使った買い物など、ショッピング体験は大きく変化していました。

ユニファイドコマースを利用すれば、より柔軟でクロスチャネルな体験を提供できるようになり、例えば顧客が1つのチャネルで買い物をして別のチャネルで商品を受け取ることも可能になります。また、エンドレスアイル、クロスチャネルでの返金手続き、クリック&コレクト、セルフチェックアウト式キオスク、好みの決済方法といった決済イノベーションも提供できるようになります。

企業が柔軟な体験を創出しているもう1つの例として、モバイルPOS(mPOS)端末が挙げられます。モバイル決済端末は、購入の準備ができた顧客の支払いを店舗スタッフがすぐに受け付けられるため、レジ待ちの列を縮めると同時に、顧客が購入をあきらめるリスクも減らすことができます。

クロスチャネル体験を促進するリンク決済のような新しい決済方法も登場しています。リンク決済では、顧客が購入する準備ができた時点で、安全な決済リンクを使用して支払いを済ませてもらうことができます。リンクを送信すると、顧客が支払いを行うので、その後で代金を回収できます。これにより、電話、Eメール、SNS などのあらゆるチャネルを決済に使用することが可能になります。

顧客のロイヤルティの向上

ロイヤルティの推進には、ロイヤルティプログラムが役立ちます。複数のチャネル間で顧客を認識できない場合、ロイヤルティプログラムの潜在能力を最大限に発揮するのは困難です。その解決策の1つは、ロイヤルティプログラムを顧客の決済方法と結びつけることですが、これは、決済データが接続されている場合にのみ実現可能です。

ユニファイドコマースでは、顧客が商品をシンガポールでオンライン購入する場合でも、ニューヨークの店舗で購入する場合でも、顧客の行動を追跡してロイヤルティポイントを付与するのは簡単です。また、トークン化により、一意の購入者リファレンス番号が決済カードに割り当てられます。この番号は初回購入時にキャプチャされ、それ以降の購入が同じ顧客によるものであることを識別するために使用されます。

データの連携による成長の強化

コロナ禍による教訓の1つは、企業は素早く対応して方向転換できる能力を備えていなければならないということでしょう。業務が複数のシステムやチャネルに分散している場合、俊敏に対応するのは非常に困難です。それぞれのシステムやチャネルを順番に更新する必要がありますが、古いシステムでは変化に対応できない可能性もあります。

業務の合理化

オンラインおよび対面で決済を提供する場合は、各地域の各チャネルに適した専門知識を持っている必要があります。これらの両方に対応できる決済プラットフォームを見つけるのは困難です。なぜなら、ほとんどの決済プラットフォームはサードパーティのテクノロジーに依存しているからです。また、複数のプロバイダーが存在すれば、障害が発生するポイントも複数存在することになります。

しかし統合環境なら、すべてが1つのソリューションでつながります。その結果、業務の合理化もしやすくなります。決済が一元化されていれば、他の販売チャネルへの拡張もはるかに容易になります。

業務を合理化すれば、従業員は継続的なトラブルシューティングに時間を取られる代わりに、重要な仕事に集中できるようになります。また、レポートも統合されるため、突合作業が容易になります。バックエンドですべてが接続されていることから、支払いがどこで行われたかに関わらず、支払いの突合作業が簡単になるのです。

ユニファイドコマースの仕組み

Adyenのユニファイドコマースでは、多様な構成要素を組み合わせて、さまざまなタッチポイントでスムーズな体験を生み出すことができます。

下記に構成要素を挙げます:

  • 注文:顧客が注文を行うチャネル。自宅、移動中、対面など。

  • 受取:商品やサービスがどこから送付され、どこに返送されるか。店舗、倉庫、またはその両方の組み合わせ。

  • 決済:支払いの方法。例えばオンライン、アプリ内、店舗、またはテキストメッセージや電子メールで共有される決済リンクなど。

ユニファイドコマースなら、例えば、消費者はアプリでコーヒーを注文し、アプリで支払い、その後に店舗へ出向いて商品を簡単に受け取ることができるようになります。

また、ユニファイドコマースは、エンドレスアイルも実現します。エンドレスアイルとは、商品が店舗にない場合でも、顧客が店舗でその商品の注文を行い、自宅に配送してもらうことができる仕組みのことです。これは、システムと在庫が接続されている場合にのみ可能です。

ユニファイドコマースが効果的なビジネス

ユニファイドコマースは、業務を合理化し、顧客にクロスチャネル体験を提供したいと考えているあらゆる企業にとって価値があります。では、ユニファイドコマースがさまざまな業界でどのように機能するのかを見てみましょう。

ユニファイドコマース小売

小売企業はユニファイドコマースにより、顧客体験を新たなレベルに引き上げ、カスタマイズされた小売体験を提供することができます。支払い時に重要な利便性と簡便性を踏まえながら、デジタルと実店舗の組み合わせを検討します。小売業におけるユニファイドコマースの大切な側面は、複数のチャネルにわたって消費者を認識し、その嗜好に応じて体験をカスタマイズできることです。

ホスピタリティ業界

ホスピタリティ業界の企業では、決済チャネルごとに別個のバックエンドシステムや決済代行業者を利用していることがよくあります。これは決済環境における重大な問題です。なぜなら、ゲストがホテルの施設やモバイルアプリを利用している間、決済ジャーニーは別個のままとなり、バラバラのシステムに組み込まれてしまう場合もあるからです。これは業務上の手間やコストを増大させるほか、ビジネス上のインサイトが入手不可能となり、さらにゲストに対して一貫性のないブランド体験を提供してしまう恐れがあります。

全システムを単一のプラットフォームに統合すれば、ホテルは異なる部署や施設からのデータを1カ所に集約し、ゲストに5つ星の体験を提供できるようになります。また、新しいチャネルを追加してすべての決済システムに接続するのも容易になります。

ホスピタリティ業界がユニファイドコマースから得られるメリットについて、こちらの記事でご紹介しています。

食品・飲料

レストランから、ファストフード、デリバリーまでを含む食品・飲料(F&B)業界は、ユニファイドコマースを顧客体験の向上に役立てています。各社とも、統一されたアプローチを通じて、顧客への理解を深め、顧客が望む体験を実現できるように努めています。具体的には、テーブルサービスによる待ち行列の解消や、顧客が望む決済手段の提供などです。

ユニファイドコマースの例

では、さまざまな業界で各社がユニファイドコマースをどのように活用しているのかを見ていきましょう。

HUGO BOSS

顧客の嗜好が変化し続ける中、HUGO BOSSは、すべての販売チャネルで強固なセキュリティ対策を確保しながら、シームレスなショッピング体験の提供に努めています。

HUGO BOSSは、決済オプションの柔軟性を高め、Visaネットワークトークンと3Dセキュアによる安全なオンライン決済を実現し、リンク決済によってどこからでもショッピングできるようにすることで、この課題を解決しました。

A seamless in-store experience

HUGO BOSSがショッピング体験の新基準を確立した方法は、導入事例記事でご覧ください。

B&B Hotels

B&B Hotelsは、ゲストの体験を損なわずに、ビジネスを成長させ、新たな市場に事業を拡大したいと考えていました。

これを実現するには、まず、すべてのシステムを1つのプラットフォームに統合できる決済パートナーが必要でした。ユニファイドコマースを導入したところ、全システムを1つのプラットフォームに一元化し、ゲストに関する理解を統一することができました。その結果、ゲストの嗜好を特定し、チャネルや場所を問わずゲストを認識し、パーソナライズされた決済体験を提供できるようになりました。

B&B Hotelsが決済を通じてビジネスをどのように成長させているかは、こちらでご紹介しています。

On

Onは、日本市場の顧客の嗜好を理解するのに手こずっていました。しかし、Adyenのユニファイドコマースソリューションにより、オンラインとオフラインのチャネルを1つのプラットフォームで完全統合し、日本独自の先を見越した顧客ジャーニーを実現することができました。

Onが東京でマルチチャネル小売の可能性を最大限に引き出した方法について、導入事例記事でご覧ください。

ドミノ・ピザ

変化が速く、効率性が最優先される業界において、ドミノ・ピザのようなファストフード/クイックサービスレストラン(QSR)は、業務を合理化し、進化し続ける顧客ニーズに対応するために役立つ決済プラットフォームを必要としています。

オンラインおよび店舗での決済方法を統合プラットフォームにまとめることで、ドミノ・ピザは、オムニチャネル販売を上回る水準のサービスを提供できるようになりました。この強化の影響範囲は、業務効率、意思決定プロセス、顧客ロイヤルティ、そしてスタッフの能力にも及びます。

ドミノ・ピザがユニファイドコマースでどのようにして業務の俊敏性を完璧なレベルに仕上げたか、導入事例記事でご紹介しています。

Adyenのユニファイドコマースソリューション

統合アプローチの導入を検討している多くの企業は、顧客体験全体を考慮せずにパッチワークのように組み合わされた複数のレガシーシステムに依存しています。それにより足を引っ張られ、多くの非効率性、収益の損失、そして顧客体験の質の低下が生じている状態です。

複数のソリューションを管理しながらオムニチャネル決済を提供するのは複雑で費用がかかり、シームレスで一貫性のある顧客ジャーニーを実現することは困難です。

Adyenのユニファイドコマース決済ソリューションは、信頼性の高い堅牢なプラットフォームを提供することで、オムニチャネル小売企業が一貫したショッピング体験を実現し、業務効率を改善できるようにサポートします。

複数のプロバイダーと協業する代わりに、Adyenは単一のプラットフォームですべてのチャネルと業務を連携させます。これにより、企業の皆様は顧客についてより深いインサイトを入手し、柔軟なクロスチャネル体験を提供することができるのです。

ユニファイドコマースで決済体験を革新

オン・オフチャネルの決済を1つのシステムに統合し、シームレスで柔軟なOMO決済体験を実現しましょう。Adyenのユニファイドコマースは、顧客ロイヤルティを高め、全チャネルのデータを活用して、より賢い意思決定をサポートします。

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