導入事例

Adobe 導入事例:サブスクリプション決済で利益を最大化するための方法

Adyen が Adobe のデビット決済最適化、グローバル業務の効率化、そして決済分野における新たな利益創出をどのように支援したのかをご紹介します。

2024年12月11日
 ·  10 分

クリエイティブ・ソフトウェアのグローバルリーダーである Adobe は、決済領域においても革新的なアプローチを採用しました。従来、決済はコモディティとして捉えられがちでしたが、2018年の Adyen との提携を機に、Creative Cloud を含むサブスクリプション事業全体の決済最適化に着手。決済部門を世界水準の組織へと進化させるべく、専門性と技術力を兼ね備えたパートナーを必要としていました。

また、シンプルなシステム連携や柔軟な実験環境の提供、決済成功率の最大化も重視していました。Adobe と Adyen は協働を通じて、決済をグローバルサブスクリプション事業の戦略的な強みに変革しています。本パートナーシップの進化と成果について、シニアペイメントマネージャーの Valerie Kondratova 氏とグローバルペイメントプリンシパルの Adam Hollenberg 氏にお話を伺いました。

課題1:複雑化する規制への対応

Adobe は、米国デビット決済市場の急激な変化に直面していました。2023年7月のダービン修正条項改正により、米国の全デビットカードに対して、少なくとも1つ以上の非提携ネットワーク(NYCE、STAR、PULSEなど)の付与が義務付けられたためです。これによりコスト削減の機会は広がりましたが、同時に「どのネットワークを優先すべきか」という運用の複雑性も増しました。多くの顧客がデビットカードを利用する Adobe にとって、代替デビットネットワークの活用によるコスト削減と収益向上は急務の課題となっていました。

ソリューション:テクノロジーの融合による利益率向上 Adyen は、この新たな市場環境においてAdobeの実践的なパートナーとして伴走しました。Adobeの内部データと、Adyenの「Least Cost Routing(LCR)」を含む「Intelligent Payment Routing for US Debit」を組み合わせることで、最適なルーティングの意思決定を実現しています。 具体的には、Adyen の AI ソリューションが、カードの種類や紐づくデビットネットワーク(デビットレール)を即座に判別します。このデータを基に、Adobe は詳細なコスト分析を行い、認証リクエスト送信前にトラフィックを従来の「シグネチャーレール」から「代替デビットレール」へと振り分ける処理を実装しました。

成果:大幅な利益向上を実現 「Intelligent Payment Routing for US Debit」の導入により、Adobeはわずか90日間で認証率を2.25%向上させました。コスト削減とパフォーマンス改善を同時に実現したことで、売上と収益性は大幅に向上しています。

課題2: グローバルオペレーションの統合

グローバルに展開する Adobe にとって、各国の規制や市場の変化へ柔軟に対応することは極めて重要です。 米国でのデビット利用拡大や、オーストラリアで推奨される LCR(Least Cost Routing)への対応など、求められる要件は国ごとに異なります。こうした変化に最小限の工数で適応しつつ、コンプライアンスを徹底しなければ、利益率の低下や顧客離れのリスクを招くことになります。

ソリューション:国を横断したデータの一元管理 Adyenは、レポーティングと分析業務を大幅に簡素化しました。リアルタイムのダッシュボードにより、世界中の取引データを即座に可視化できるため、Adobeは地域ごとのパフォーマンスを正確に把握し、迅速な意思決定を行えるようになりました。

結果:米国、フランス、オーストラリアでの展開を実現 Adyen のプラットフォームを活用することで、Adobe はフランスの「Cartes Bancaires」やオーストラリアの「eftpos」といった現地の主要カードスキーム(ローカルレール)を迅速に導入しました。 これにより、最適なネットワークへのルーティングが可能となり、高いコンバージョン率を維持したままコストを削減しています。

<主な成果>

  • 200万ドル以上のコスト削減: 米国でのデビットルーティングや非提携ネットワークとのレート最適化により達成。

  • 年間9万ドルの削減: オーストラリアでの eftpos 連携単体による効果。

課題3: リスクを抑えた決済フローの検証

Adobeは、より多くの「優良」顧客がスムーズにチェックアウトできるよう、常にコンバージョン率向上の新たな方法を模索しています。厳格なルール運用によって、10〜20%の正当な取引が意図せずブロックされる問題を認識しつつも、チャージバック率を上げることなく、より多くの決済を安全に通過させるためのプロセス最適化に取り組みました。膨大な取引規模を扱っているため、わずかな調整でも大きな影響が出る可能性があり、変更による悪影響を避けるため慎重な対応が求められました。

ソリューション:柔軟なテスト環境

Adobeは、AdyenのAPIファーストアプローチを活用し、リアルタイムかつ安全なサンドボックス環境で新しい設定をテストすることで、本番取引に影響を与えることなく革新的なソリューションを迅速に導入できました。

成果:双方向のイノベーション

実験や検証が容易になったことで、Adobeは分析手法やトラフィックルーティングを柔軟に調整し、高付加価値顧客の決済完了率を高め、200万ドルのコスト削減を達成しました。さらに、テストによるデータの透明性が向上したことで、今後は他の決済フロー最適化にも取り組む予定です。

この取り組みは一方通行ではありません。Adyenは、Adobeとの協業で得られたレポーティングの知見を製品ロードマップに反映し、すべてのお客様の利益となる新AIプロダクト「Intelligent Payment Routing for US Debit」の改善に活用しています。

まとめ

進化し続ける米国のデビット市場において、AdobeはAdyenとのパートナーシップを高く評価しています。デビット決済の効率化とグローバルオペレーションの最適化を通じて、Adobeは決済エコシステム全体の業務効率化と新たな付加価値の創出を実現しています。

グローバルなサブスクリプションビジネスとして、これらの付加価値は顧客満足度の向上、解約率の低減、収益維持率の向上に直結し、最終的にAdobeの収益拡大に大きく貢献しています。

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