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完全な顧客プロファイル構築とマーケティング活用
オムニチャネル企業がパーソナライゼーションを推進し、顧客ロイヤルティを高めるために利用しているのが、マーケティング向けプロダクト:データコネクトです。ここではデータコネクトを活用した完全な顧客プロファイルの構築とマーケティングへの活用事例をご紹介します。
多くの購入ジャーニーは、製品をオンラインで検索してから実店舗で購入するという流れになります。通常、顧客が実店舗で購入目的などを明かすことはないため、顧客が購入ジャーニーのどの段階にあるのか、企業が認識を誤っていることがよくあります。結果として、製品を購入済みの顧客を、同じ製品のネット広告のターゲットにしてしまうことが頻繁に起こります。
多くのオムニチャネル企業は、実店舗で発生するすべての小売取引の82%で不完全なデータを使って意思決定をしています。小売業者の多くは、アプリを通じて購入目的などを教えてくれるよう顧客に促すなど、より多くの実店舗データを捕捉できるよう努力しているにもかかわらず、実店舗での行動とオンラインでの顧客プロファイルを結びつけるのに苦労しています。このため、マーケティングチームは実際の顧客行動を十分に把握できないまま予算を割り当て、オンライン取引を正確に捕捉するだけで精いっぱいになります。
この問題に対処するのが、顧客プロファイル統合ソリューション:データコネクトです。独自の決済IDを使用してクロスチャネルの取引をつなぎ、完全な顧客プロファイルを作成するため、企業は顧客に対するインサイトに容易にアクセスして、すべてのチャネルで顧客を認識できるようになります。これにより、情報に基づいた意思決定が可能になり、リソースを上手に割り当て、昨今の動的な環境の中で統一された体験を提供することができます。
完全な顧客プロファイルの構築方法
小売業者の多くは、ロイヤルティプログラムやサードパーティのデータを利用して、クロスチャネルの取引から優れたインサイトを生み出しています。しかし、どちらの選択肢にも限界があります。
ロイヤルティプログラムの場合、ロイヤルティカードを見せるのはチェックアウトフローの中断になるため、カードを見せずにチェックアウトをすることもしばしば。そうなると、実店舗で顧客の素性が明らかになりません。さらに、すべての小売業者がロイヤルティプログラムを提供するわけではなく、すべての顧客がそのプログラムに登録するわけでもありません。
代わりに、サードパーティデータを購入して点をつなげることができます。しかし、このようなデータセットから得られるのは幅広い顧客層に対する一般的なインサイトであり、特定の顧客の購入行動を詳細に捉えることはできません。 データコネクトは、企業が自社で保有する決済データを利用して全方位からの顧客プロファイルを構築し、正確なインサイトを用いてマーケティング戦略を策定する新たな機会をもたらします。決済データを活用すれば、これまで特定できなかった取引と顧客を結び付け、独自のクロスチャネルのインサイトを獲得し、より多くの価値を生み出しながら、購入者のプライバシーを保護することが可能になります。
Adyenは、EUの一般データ保護規則(GDPR)や決済カード業界(PCI)の基準など、各種のデータ保護規制を遵守しています。このため、企業はデータコネクトを活用して、自社で保有する決済データを利用しながら、より優れた顧客体験を安全に提供することができます。
完全な顧客プロファイルを活用しマーケティングを最適化する3つの方法
データコネクトは、包括的な顧客プロファイルを提供して、顧客のライフタイムバリュー(CLV)の特定や、購入者ターゲットの適切な絞り込み、顧客ロイヤルティの構築を支援します。
顧客のライフタイムバリューを正しく特定する
CLVは、顧客獲得戦略を策定する際に重要な指標です。顧客獲得の予算と収益性は、顧客の購入ジャーニーに基づいて算出されます。ある顧客を獲得する予算額を決定するには、まずその顧客がどれだけの価値をもたらすかを把握する必要があります。そのためには、実店舗で顧客が何を購入するかを知らなくてはなりません。
CLVを利用すると、高い価値をもたらす顧客を特定し、その顧客を維持する戦略を策定することができます。適切なデータがなければ、CLVを誤って算出するリスクが生じ、リソースの割り当てミスや収益損失につながるおそれがあります。価値を生む顧客を獲得し、維持するために十分な予算を投入しなければ、顧客離れが進み、収益機会を失うことになります。あるいは、それほど価値を生まない顧客に過剰に投資する可能性もあります。
事例:顧客認証率48%向上によるCLV算出精度の改善 ※Please use <h4> tag
ファストフードレストランを世界展開する当社のお客様の中に、次のような課題に直面している企業がありました。登録済みの顧客プロファイルと結び付く店舗取引がわずか15%だったのです。そこで、データコネクトを活用したところ、特定できなかった取引200万件を登録済み顧客プロファイルと結び付けて、顧客認識率を48%向上。CLVを正しく算出できるようになりました。
顧客を適切に分類し、ターゲットを絞る
企業は、できるだけ顧客をよく知り、長続きする関係を構築するための適切なキャンペーンを計画する必要があります。つまり、顧客を正しく分類して、誰がどのような人物かを理解した上で、適切にターゲットを絞らなくてはなりません。
決済データを利用してチャネル全体で顧客を認識することで、適切な人物に適切な広告を配信するターゲットの絞り込みに、確実に予算を充てることができます。
事例:離反リスクのある顧客の特定とリテンションキャンペーン ※Please use <h4> tag
10か国以上に店舗を構えるヨーロッパのファッション小売業のお客様は、これまでサードパーティデータを利用して顧客を分類していました。この企業では、顧客をVIP(高額の取引のある顧客)と、取引を終了する可能性のある顧客に分類します。取引終了が見込まれる顧客の割合を以前は4%と算出していましたが、データコネクトを利用したところ、13.9%に上ることがわかりました。お客様がすぐに顧客維持キャンペーンを行った結果、多くの顧客が購買行動を再開しました。
データコネクトは、Pepe Jeans London、Hackett、Façonnableなどの世界的なブランドを展開するファッショングループのAWWG社でも活用されており、包括的な顧客プロファイルを作成し、適切にターゲットを絞ったキャンペーンに顧客を含めるために役立っています。
完全なデータセットを利用すると、宣伝広告の業務を最適化し、パーソナライズされた顧客体験を提供することができます。ある製品をすでに実店舗で購入した顧客を特定し、同じ製品に対するオンラインのリターゲティングキャンペーンから外します。代わりに、この顧客を別の製品のターゲットに設定します。このようにして、本当に求める製品の情報が顧客に届くよう、ターゲットを絞ってメールを送信すると、メールのコンバージョン率が向上します。
顧客ロイヤルティプログラムを強化する
先行きが不透明な時代の中で、顧客ロイヤルティは重要になっています。インフレの進行と、顧客が真に求める製品やサービスの欠如により、2022年には小売業者の42%がロイヤルティの低下を経験しました。
強固なロイヤルティプログラムを維持するのは簡単ではありません。特にロイヤルティの高い顧客を実店舗で特定することに苦労している場合や、パーソナライズされた体験を提供するために不完全なデータを利用せざるを得ない場合はなおさらです。
データコネクトは、完全な顧客プロファイルの作成を支援して、ロイヤルティプログラムを強化します。また、すべての決済データを1か所に集約。これにより、オンラインか実店舗での購入かを問わず、顧客行動の追跡やロイヤルティポイントの割り当てが容易になります。また、以下のメリットをもたらします。
顧客理解にかかる時間を数年分節約:2020年3月1日までさかのぼって、顧客プロファイルに取引を追加できます。このため、顧客が今日ロイヤルティプログラムに登録しても、過去の取引がすべてプロファイルに追加されます。
複数のメンバー資格や登録アカウントを持つ顧客の重複を排除:同一顧客に関連付けられる登録や記録の重複を特定し、排除することができます。顧客基盤をより正確かつ包括的に確認できるため、冗長性を回避し、混乱を未然に防ぎます。
AWWG社は、データコネクトを利用して顧客に対する理解を深め、完全な顧客プロファイルを作成しています。
取引を顧客プロファイルに変換する
マーケティング向けデータコネクトは、企業が全方位から顧客プロファイルを構築し、さらなる価値を生み出すための、次のステップです。
全方位からの顧客プロファイルは、優れた顧客体験を提供するために利用してこそ意味があります。データコネクトは、顧客関係管理(CRM)や顧客データプラットフォーム(CDP)などのマーケティングスタックと、プラグアンドプレイで統合可能。このため、獲得したインサイトに対して容易にアクションを起こし、マーケティングの目標を迅速に達成することができます。
Fortnum and Mason社では次のように考えています。
決済データの活用で、完全な顧客プロファイルを構築しマーケティングの意思決定をよりスマートに。詳しくは、マーケティング向けプロダクト:データコネクトの説明をご覧ください。
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