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mPOSが店舗に必要な理由とは

オンラインと同等の柔軟性、利便性、スピードが求められる店舗の決済体験において、mPOSはとても重要な要素です。mPOSとは何か、どのようなビジネスメリットを享受することができるのか、解説します。

12月 15日, 2022
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Two women interacting over a payment terminal at a retail checkout counter.

実店舗でのショッピングとオンラインショッピングの間の境界線は曖昧です。今日の購入客は、従来型の小売環境にもオンラインと同レベルの流動性、利便性、スピードを期待しています。その点を理解しない小売業者は、特に若年層の購入客に訴求するのが難しくなります。

どうすれば、スムースなチェックアウトプロセスを盛り込んだ店舗設計ができるのでしょうか?とりわけ重要な要素の1つが、モバイル決済端末、つまりモバイル販売時点情報管理(mobile POS、以下m POS)です。mPOSとは、スタッフが店舗のどこでも決済を受け付けられるワイヤレスポータブルデバイスのことです。

競争が熾烈になってきている小売業界では、場所や時間を問わずすばやくシームレスに決済を受け付けられるかどうかによって業績が左右されることもあります。

1. モバイル端末が店頭での行列を解消

2017年のPwCの調査によると、消費者の40%以上は、実店舗で週1回以上買い物をしています。消費者は実店舗の長い行列への不満を露わにしています。Adyenが行った調査によると、購入客の5人中4人近くは、行列や待ち時間が長い場合には店舗を立ち去ると答えています。行列を離れるまでの平均時間は10分です。また、店舗を避ける主な理由2つは、混雑と長い行列です。

Amazon Goは、チェックアウトのプロセスがまったくありません。これこそ、行列がない未来の店舗の理想形だと言えるでしょう。

購入客が行列を離れるのは、最も望ましくない状況です。Adyenの調査データによると、立ち去った購入客の73%は、買い物をやめるか、別の小売業者(実店舗またはオンライン)から商品を購入すると回答しています。

2. モバイル決済で売上を向上

調査結果によると、モバイル決済デバイスを使用している小売店舗は、固定端末またはカウンター端末だけを使用している小売店舗と比べ、一貫して高い平均売上を達成しているトレンドが見られます。理由とし、たとえば、行列に並ばなくてよいという利便性、2足目の靴も勢いで購入できてしまうといったことが考えられます。

当社の2017年のデータによると、モバイル端末と固定端末の両方を使用している高級衣料品店では、モバイル端末による売上が最大50%多かったことが判明しています。この数字は、店員が一対一で接客する小売チェーンほど高い傾向が見られました。Adyenの小売ビジネス開発担当ヴァイスプレジデントであるEric Mahechaは、次のようにコメントしています。「購入に迷う時間が短くなり、その場で支払えると、顧客は購入後の後悔をしにくくなります。本当にそれが必要なのかを考え込む時間がなくなるからです。」

行列に並んでいる顧客が衝動買いするのは、過去数十年、雑誌やチューインガムなどの小物に限られていました。今では、代わりの服のコーディネート一式が、衝動買いの候補となる可能性もあるのです。

3. 顧客はエンドレスアイルを求めており、それがなければ他店へ移ってしまう

インターネットを日常的に利用する今日の購入客は、実店舗にない商品を閲覧して注文することにも慣れています。モバイル端末などで全在庫を閲覧でき「エンドレスアイル(実店舗で品切れでも、 その場でECサイトから注文できるシステム)」は、収益に直接的な好影響を与えます。店舗スタッフは、エンドレスアイルアプローチにより、数クリックでアップセルとクロスチャネルセールの提案を顧客に行うことができます。

欲しいものが見つからず注文する手段がないと、離脱率が上がります。Forrester Researchによれば、小売業界における売上の約10%は、在庫切れが原因で失われています。調査によると、もう1つの店舗購買経験の重要要素は、他店舗やオンラインの在庫をすばやくチェックできることで、回答者の68%がこの選択肢を選んでいます。

4. 顧客が興味を持っているときは、流れを止めない

mPOSがあると、購入客は購入プロセスだけでなく、店舗スタッフと購入する商品そのものに集中することができます。ニューヨークの衣料品店Tory Burchに5年間勤務したMahechaは、「モバイルデバイスによって店内の一定の流れ、つまり顧客とのスムースな会話が維持できました。このつながりは絶対に途切れさせてはいけません。」と述べています。

優秀な店員は接客時に「過去どんな種類のスニーカーを買ったことがあるか?何色だったか?用途は何か?」といった多くの情報をステップごとに集めます。mPOSがあれば、スタッフと顧客の会話も円滑に進みやすくなります。双方にとって楽しいエクスペリエンスが可能になるのです。

5. ポップアップストアや特別配送は、モバイルデバイスを利用したほうが良い

ポップアップストア自体は一時的なものかもしれませんが、アイデアは普遍的なものです。ポップアップストアは、空きスペースを活用でき、マーケティング予算にも組み込まれています。過去の調査によると、ポップアップストアは新しさやユニークさを好む脳に訴えかけてくれるため、オンラインと実店舗の戦いにおいて、小売業者が活用できるのです。

小売業者にとって、ポップアップストアは、市場で新商品を試すのに最適で簡単な手口でもあります。移動販売車のようで、スペースに大量の時間や資金をつぎ込まなくても、トラフィックと流行を生み出すことができます。

実際、モバイルデバイスは、ポップアップストアの準備にかかる時間を大幅に節約できます。レジを立ち上げたりデータベースのライセンスを交渉したりする必要はありません。端末に電源を入れるだけで、使用できるようなるのです。

ショッピング繁忙期の特別配達もmPOSを使えば、イベント現場や顧客の玄関先で、迅速かつセキュアな決済処理が可能です。Adyenの決済端末は、ネットワークが故障した場合でも信頼性の高いバックアップを提供し、携帯電話の電波が届く範囲で店舗を実質的に拡張することができます。

どんな商品を売る場合でも、mPOSを使用すれば付加価値を高めることができます。



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