tripla × Adyen

成約率向上から不正対策、コスト削減まで。インバウンド予約とグローバル成長を支える決済基盤

インバウンド市場が再び活況を呈する日本の観光業。2025年には訪日外国人旅行者数が過去最高を記録するなど、その勢いはますます加速しています。

しかしその恩恵の裏側で、ホテル業界は海外からの不正予約や無断キャンセルによる収益ロスという深刻な課題に直面しています。宿泊施設向けの自社予約システム「tripla Book」を展開するtripla(トリプラ)株式会社は、Adyenの決済プラットフォームを導入することでこの課題を克服。強固な不正対策でホテルビジネスの安全を守りながら、多通貨決済を活用してインバウンド客の自社予約における成約率を約2倍に引き上げたほか、香港展開における決済コストの70%削減やバックオフィス業務の効率化など、ビジネス全体の成長と最適化を実現しました。

約2倍

インバウンド客の成約率

70%

香港発行カードの決済コスト削減

課題:直販強化を阻む「カゴ落ち」と「不正リスク」

日本のホテル業界において、OTA(オンライン旅行代理店)への依存から脱却し、収益性の高い自社予約の比率を高めることは重要な経営課題です。triplaは、インバウンド需要の増加に伴い、自社予約の決済プロセスにおいて2つの要件を同時に満たす必要に迫られていました。

  • 予約画面での「カゴ落ち」対策:サイトが多言語対応していても、予約時に自国の通貨が選べないことは、インバウンド客にとっての心理的なハードルになります。自社予約を増やす上で、予約の離脱(カゴ落ち)を防いで成約率を最大化する「利便性の向上」が課題となっていました。

  • 海外からの不正利用対策の強化:近年では、盗んだクレジットカード情報で予約し権利を転売する「不正トラベル」の手口が巧妙化しているほか、現地決済予約を悪用したノーショウ(無断キャンセル)によるキャンセル料の未回収なども、ホテルの収益を圧迫する深刻な問題となっています。OTAを介さない直販予約では、万が一不正利用が発生した際のリスクをホテル側が直接負うことになるため、強固なセキュリティ対策が急務となっていました。

売上の最大化とリスク管理。宿泊施設が抱えるこれら2つの課題を高いレベルで両立し、安全で透明性の高い決済インフラを構築するため、同社はAdyenをパートナーに選定しました。

「旅行者の消費額のうち、宿泊施設にかける割合は約30〜35%と言われています。宿泊業界は単価が高く、1泊10万円を超えるケースも珍しくありません。だからこそ、1%の決済改善がホテル様の収益に絶大なインパクトを与えます。決済の最適化は、弊社にとっても非常に重要な位置づけになっています」

tripla株式会社 ビジネスデベロップメント部 執行役員VP 奥林 正浩 氏

奥林 正浩 氏

解決策:多通貨決済の導入と、AIを活用した「3層防御」

カゴ落ちの課題に対し、triplaはAdyenの優れた決済処理能力(海外カードや各国のローカル決済手段への幅広い対応力)を活用。その上で、海外ユーザーが為替レートを計算する手間や不安なく、自国通貨で価格を確認・決済できるよう、独自の多通貨決済機能を自社開発しました。

またセキュリティ対策においては、Adyen導入以前、triplaでは3Dセキュアと目視チェックの組み合わせで対応していましたが、万が一チャージバックが発生した際に宿泊履歴を証拠として提出する必要があるなど、旅行業界特有の事情に伴うエビデンス確認やマニュアル作業が現場の負担になっていました。この課題に対し、triplaはAdyenの機能を活用した3層防御を構築しました。

  • 全件の決済に3Dセキュアを導入:万が一、カード会員が利用した覚えがないとカード発行会社に問い合わせても、カード発行会社はチャージバックをすることができないため基本的にはホテル側の負担にはならない。

  • Protect Premium:決済の瞬間にAIがリスクを判定。人的リソースをかけずに、自動で不正を検知。

  • tripla独自の最終確認:AIの判定をすり抜けたグレーゾーンの予約のみを自社で確認するハイブリッド運用。

これにより、不正対策にかかる人的コストを抑えながら、安全性の高い取引環境を整備することに成功しました。

成果:成約率2倍、70%のコスト削減、不正対策の効率化

Adyenの多通貨決済を導入した結果、国外顧客のコンバージョンレート(CVR)が導入前後で約2倍向上しました。ホテル側からも「インバウンドの自社予約が増えた」という声が寄せられ、新規導入の引き合いも増加しています。さらに、香港展開においてはAdyenのローカルアクワイアリングを活用することで、香港発行カードの決済コストにおいて70%の削減を実現しました。

また、不正対策においては3層の防御体制を構築したことにより、既存のリソースを維持したまま対応能力を大幅に拡張することができました。

約2倍

香港発行カードの決済コスト

70% 削減

不正対策の運用効率

大幅な向上

パートナーシップ:決済の枠を超えた包括的なビジネス支援

triplaは香港を皮切りにグローバル展開を拡大しており、今後はさらなる多国展開も見据え、グローバルな拡張性を備えた体制を整えています。

数あるグローバル決済プラットフォームの中からAdyenが選ばれた理由は、単なるシステム提供にとどまらない、本質的なビジネス支援体制にあります。

  • データ可視化と具体的なアクション提案:専任のアカウントマネージャーによる詳細なデータ分析と提案に加え、Adyenのプラットフォームはtriplaの経理チームにとっても不可欠な基盤となっています。多通貨決済における複雑な計算がダッシュボード上で簡単に算出できるほか、上場企業として厳格な決算デッドラインがある中でも、すべての決済データがリアルタイムに集約されているため迅速な業務遂行が可能に。これにより、自社で専属の不正対策人材を抱えることなく高度な運用を実現するとともに、バックオフィスの大幅な効率化も達成しています。

  • 海外イシュアーとの交渉力:国内の決済会社では対応が難しいグローバルなイシュアー(カード発行会社)との円滑な交渉や、国際ブランドの最新レギュレーションへの的確なアドバイスが、高い決済成功率を支えています。

  • 海外進出のビジネスサポート:決済ソリューションの提供にとどまらず、海外展開において壁となる各国の現地法やリーガル要件への対応をサポート。現地の複雑な法規制の解釈や、triplaの事業構造に合わせて現地でどのようなライセンスの取得・維持が必要になるかといった具体的な情報提供を行うなど、ビジネスのフィジビリティを高める多角的な支援を行っています。

今後の展望

今後triplaは、Apple PayやGoogle Payといった決済手段の拡充や、BNPL(後払い決済)の検討、さらにはAIが自律的に旅行手配を行う「エージェンティックコマース」領域におけるAdyenとの協業も見据えています。

また、香港に続くさらなる海外展開として、シンガポール、マレーシア、アメリカ、オーストラリアなどへの進出拡大を計画しています。グローバルな決済基盤を持つAdyenのバックアップのもと、triplaは世界市場での成長をさらに加速させていく構えです。

これからのホテルビジネスを見据え、奥林氏は業界全体へ向けて次のような言葉を寄せています:

「インバウンドユーザーに自社予約をしていただくことに、ハードルを感じているホテル様も多くいらっしゃいます。しかし、インバウンド需要が高まっている今、旅行者にとって良いホテルをベストレートで直接予約できることは大きなメリットになります。triplaとAdyenが裏側の決済とセキュリティをしっかりとサポートしますので、安心して直販を推進していただきたいと考えています」

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