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クレジットカード決済の「日本エラーコード」とは?

1980年代に生まれ、現在も広く使われている日本エラーコード。その成り立ちや、国際ブランドのエラーコードとの違いについて、Adyenの三田和弘がお話しします。

2025年3月16日
 ·  3 分
A split illustration with two halves, one showing a phone with a shopping bag, and the other a terminal.

執筆者について

三田和弘は、日本発の国際ブランドにて約10年間プロダクト企画・開発をリードした後、現在はAdyen Japanで日本のカード取引の各種ローカル対応をリード。また2018年より、ISO (International Organization for Standard) の金融サービスにおける日本の国際エキスパートとしてカード電文の最新化(ISO20022)協議にも従事中。地方ローカル線、温泉、そして決済をこよなく愛する50代。幅広い知見を活かし、クレジットカードの不正状況についてのブログなども執筆。

日本のクレジットカードの歴史

日本のクレジットカードの歴史は意外に古く、1950年代後半には外国人向けのエアライン専用カードや海外カードが日本の店舗での利用ができるようになり、国内の景気拡大とともに1960年代にはいくつものクレジットカード会社が誕生しました。一例としては、日本ダイナースクラブ、日本クレジットビューロー・大阪クレジットビューロー(共に現ジェーシービー)、日本信販・ミリオンカード・ダイヤモンドクレジット(共に現三菱UFJニコス)、住友カード(現三井住友カード)、ユニオンクレジット(現UCカード)、オリコカードなどです。

国内ブランド( 国際ブランドと呼ばれるVisaやMastercardとは異なる、上記の国内各カード会社のブランド)の数に比例して、決済端末の種類も増加。クレジットカード取引の電送化が始まった80年代には、クレジットカードを取り扱う店舗のレジカウンターには複数の決済端末が並ぶようになったそうです。

この状況を解決すべく、一台の端末で複数の国内ブランドを取り扱うことのできるCAT(信用照会端末)が登場し、それを支えるCAT利用センター及び各カード会社を繋ぐ日本独自のカードネットワークであるCAFISが利用されることになります(1984年)。

※この辺りの歴史は諸説あります。詳しい状況をご存知の方、お教えください!

日本エラーコードの誕生

この時に日本独自の様々な仕様が定められました。そのうちの一つがこのブログのテーマの「日本エラーコード」です。正しくは「CAT仕様のエラーコード」ですが、国際ブランドのエラーコードと区別するため、Adyenでは「日本エラーコード」と呼んでいます。このブログでも「日本エラーコード」と表現させていただきます。

1980年代中盤に生まれた日本エラーコードは、今でも日本のカード市場で多く使われています。例えば店頭にあるカードを読み取る端末では、国際ブランドのエラーコードではなく日本エラーコードである「G12」や「G30」を表示させているケースが多く見られますし、店頭取引ではないEC取引でもこの表示が見られます。この理由は、日本ではカード取引は国際ブランドを通らないケースも多く(そのような取引を「オンアス」と呼びます)、日本エラーコードでしか表示できないケースも多くあるためです。実際に日本の二大国内ネットワークであるCAFISやカードネットではこちらのエラーコードをセットするようになっています。

日本のほとんどのカード会社は日本エラーコードに昔から準拠している一方、近年は国際ブランドのルール化や指導もあり、国際ブランドのエラーコードへの準拠も始まっています。しかし、日本エラーコードとのマッピングは各カード発行会社に委ねられることになったため、カード発行会社によって設定ルールがだいぶまちまちのようです。

国際ブランドのエラーコードとの違い

例えばAdyenで取得したデータによると、国際ブランドのエラーコードである「79: Life Cycle」に紐づいている日本エラーコードは下表のように分布しています。

G12

意味

利用不可

出現割合

24%


G56

意味

無効カード

出現割合

22%


G60

意味

利用不可カード

出現割合

22%


G83

意味

有効期限エラー

出現割合

16%


その他( G61やG65など)

意味

それぞれに意味がありますが、ここでは省略

出現割合

16%

他の国際ブランドのエラーコード、例えば「05: Do not honor」も同様に複数の日本エラーコードにマッピングされ、分散されています。

また、逆に日本エラーコードから国際ブランドのエラーコードを辿ってみましょう。一番出現率の高い「G12」(利用不可取引)は、国際ブランドのエラーコードでは下表のようにマッピングされています。

51

意味

Insufficient funds

出現割合

22%


59

意味

Suspected fraud

出現割合

11%


61

意味

Exceeds withdrawal amount limit

出現割合

6%


78

意味

Blocked, first used

出現割合

30%


79

意味

Life cycle

出現割合

9%


82

意味

Policy

出現割合

5%


83

意味

Fraud/Security

出現割合

4%


その他(05、12、14、19、54、57、62など)

意味

それぞれに意味がありますが、ここでは省略

出現割合

13%

このように、G12に内包される実際の意味も多岐に渡ります。

加盟店としてはどちらを主として参考にするのかの判断は難しいと思いますが、筆者は、

・日本エラーコードの仕様が日本国内で標準化されている

・日本エラーコードは日本の多くのカード発行会社のシステムで利用されている

という点から、現時点では日本エラーコードを中心に購入者にエラー内容を伝えた方が良いのではないかと考えています。

Adyenで実現できること

Adyenは、国際ブランドのエラーコードと日本エラーコード及び購入者向けのアドバイスをAPIに設定して加盟店に通知できます。これにより加盟店は、購入者に対してより具体的なエラー理由・アドバイスを得られ(決済端末やECのチェックアウト画面にエラー理由が表示される)、不要なリトライが減り、オーソリ承認率の改善やカスタマーエクスペリエンスの向上につながっています。実際にAdyenのある加盟店様では、Adyenによる日本エラーコードの設定後、10−15%ほど承認率が改善したという実績があります。

ただ日本エラーコードにもデメリットがあります。海外のカード発行会社は日本エラーコードを設定していませんし、新しく日本でカードの発行を始めたカード会社の中には日本エラーコードを設定しない会社もあります。

また不正取引が増えている中で、詳細なエラー内容を表示しないようにという日本クレジット協会からの指導もあります。Adyenではこのような状況とのバランスを取りながら、加盟店の承認率向上や顧客体験の改善に向けて継続して対応をしていきたいと考えています。

参照:カード会社各社の沿革についてのウェブサイト、JCBカードの半世紀

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