ユニクロ(UNIQLO)&Adyen

日々のショッピングを、マイクロドネーションの窓口へ

ユニクロ(UNIQLO)にとって、社会的インパクトの創出は長年にわたり事業の根幹に組み込まれてきました。機能性衣料の寄付活動から、Tシャツの売上が人道支援団体を支える「PEACE FOR ALL」のような取り組みまで、同社はそのスケールを活かし、社会的に意義のある活動を継続しています。

こうした活動が拡大するなか、新たな目標も生まれました。舞台裏で行われてきた社会活動を顧客体験へと組み込むこと遠い存在になりがちな寄付を、顧客がリアルタイムで実感し、自ら積極的に参加できるものへと変えることです。

そこで問われたのは、「寄付の仕組みを、日常的なショッピング体験にいかに大規模に組み込むか」でした。

ユニクロにとってその答えは、顧客が社会貢献と関わる「方法」と「タイミング」を根本から再設計することを意味していました。

課題:企業主導の社会貢献から、顧客参加型モデルへ

ユニクロは20年以上にわたり、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)をはじめとする長期的なパートナーシップを通じて、世界中の難民・避難民支援に貢献してきました。こうした取り組みを積み重ねることで、同社は社会的インパクト創出の強固な基盤を築いてきました。

近年では 「PEACE FOR ALL」 のような取り組みにより、商品購入を通じて顧客も社会貢献に参加できる仕組みが実現しました。この売上の一部は、同社が提携する非営利団体へ還元されます。このモデルは効果的ではあるものの、依然として企業主導の枠組みにとどまっていました。

加えて、寄付という行為の多くが顧客の目に届かない形で進んでおり、購入の瞬間に顧客が社会貢献を実感したり、自らの意思で選択をする機会は限られていました。

ユニクロは、企業主導のインパクトの創出から、顧客が能動的に参加するモデルへの転換に可能性を見出しました。社会貢献を顧客体験の 「付随的なもの」 として位置付けるのではなく、購買プロセスそのものに自然な形で組み込むことを目指したのです。同時に、この取り組みを複数市場で展開するにあたっては、新たな複雑さも生じました。キャンペーンの立ち上げ、パートナーとの連携調整、地域間での一貫性確保には、相当な調整コストが伴っていました。 「グローバルな危機に迅速に対応することは容易ではありませんでした。また、全市場においてお客様と一貫した形でエンゲージし続けることも、大きな課題でした」

マリア・ルドゥス氏 Head of Sustainability(ユニクロ ヨーロッパ)

解決策:決済の瞬間を、参加の機会へ

Adyen Giving の導入により、ユニクロは寄付機能を決済体験に直接組み込みました。顧客は会計のたびに任意の非営利団体へワンタッチで寄付できるため、買い物が社会貢献の瞬間へと変わったのです。

「私たちにとって最も重要なのは、お会計がシンプルかつスピーディな体験であり続けることです。決済手続きを妨げることなく、顧客が一目で状況を把握できることが不可欠です」 とルドゥス氏は語ります。

これは、間接的に支援するという形から、能動的な参加への転換を意味します。売上を通じてサステナビリティ活動に貢献するという従来の形から一歩踏み込み、顧客は自らの意思でその場で寄付ができるようになり、自身の寄付がどのような社会貢献につながるか把握することができます。

「PEACE FOR ALL」 や 「The Heart of LifeWear」 といった社会貢献プログラムを土台とし、このアプローチはユニクロのインパクトエコシステム(社会貢献を相互的に支え合うネットワーク)を決済の場へと広げ、企業主導のキャンペーンと顧客をリアルタイムで繋げることができます。

「まさに適切なタイミングで実施することができました。会計時に寄付できる仕組みは、お客様からの共感を呼びました。お客様たちご自身も、支援の輪に加わる方法を探していたのです。Adyenでなら、それがわずかワンタッチで実現できたのです。」

マリア・ルドゥス氏 Head of Sustainability(ユニクロ ヨーロッパ)

成果:マイクロドネーションが積み上げた、数百万ユーロ規模の社会的インパクト

Adyen Givingの導入以来、ユニクロは顧客が社会貢献活動に関与する方法を大きく変革しました。 現在、13もの市場にわたり設置されている2,100台の決済端末が、数百万件に及ぶ寄付を可能にしています。

個々の寄付は小さくとも積み重なり、大きな力へと変わります。2025年だけでユニクロは93万7,000ユーロ(108万米ドル相当)以上の寄付金を集めており、顧客参加が継続的に伸びていることがわかります。

この仕組みの強みは、その規模の大きさのみではなく、その到達範囲の広さにも表れています。ユニクロは4年連続のファンドレイジングキャンペーンを通じてUNHCRへ100万ユーロ(115万米ドル相当)以上を集めるなど、グローバルパートナーとの連携を深める一方で、地域に根ざした小規模NGOを含む非営利団体ネットワークへの支援も拡大しています。これらの団体は複数の店舗への参画を通じて、より広い認知と露出を得ています。

「会計時のマイクロドネーションが積み重なることで、大きなインパクトが生まれます」とルドゥス氏は、店頭での小さな寄付が積み上がる仕組みを振り返ります。

Adyenの寄付マッチングは、このインパクトをさらに増幅させています。2022年から2025年にかけて、Adyenは総額200万ユーロ(230万米ドル相当)を上回る寄付をマッチングしており、2026年以降も 「Giving」 機能を通じたすべての寄付に対してマッチングを継続しています。

インパクトの拡大へ

ユニクロは、社会貢献に対する包括的なアプローチをさらに発展させています。オンラインショッピング時の会計への寄付機能の導入も計画しており、実店舗とオンラインの双方にわたって一貫した顧客体験の構築を目指しています。

社会貢献の取り組みが拡大するなかでも、その軸は変わりません。インパクトを誰もがアクセスしやすく、拡張性があり、顧客体験に自然に組み込まれたものにすること——日々の購買行動の一環として、流れを損なうことなく寄付を可能にすることです。

Adyenとの協力関係は、業界イベントにまで広がっています。2025年に開催された「Evening of Impact」はその一例です。UNHCRと共催されたこのイベントには業界リーダーが一堂に集い、グローバルな小売業のフレームワークにおける社会貢献プログラムについて議論が交わされました。こうした取り組みを通じて、ユニクロはパートナーシップを深め、内部で成果を共有し、ファンドレイジングのインパクトを広く可視化しています。これは、従来のベンダー関係を超えた、真の協力関係のあり方を体現しています。

「Adyen Givingは、長い旅の出発点に過ぎません。これからも両社は力を合わせ、インパクトと社会貢献の取り組みを共に続けて参ります」 マリア・ルドゥス氏 Head of Sustainability(ユニクロ ヨーロッパ)

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