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顧客にとっては、カードをタップするだけで数秒後には決済が完了します。しかしあらゆる決済の裏には、複数の金融機関による複雑なリレーがあり、アクワイアリングバンクがそれを可能にします。
顧客が決済カードの詳細を送信すると、アクワイアラーが決済の承認をリクエストします。その情報はクレジットカードとデビットカードスキーム(ブランド)のネットワークを通して顧客の銀行に送信されます。トランザクションが承認されると、アクワイアラーは資金を回収します。もし承認されなかった場合、アクワイアラーがその理由を加盟店に通知します。
アクワイアラーは、トランザクションを繋げるために現地の金融規制当局およびカードスキーム(ブランド)発行のライセンスを取得する必要があります。このライセンスは、金融機関の規制要件やカードスキーム(ブランド)の要件に準拠する必要があり、長く複雑な管理プロセスを通じて取得されます。
そのため、加盟店がアクワイアラーに手数料を払い、決済処理を代行してもらう理由です。
注意:アクワイアリングバンクは、「加盟店のアクワイアリングバンク」または、「加盟店のアクワイアラー」とも呼ばれています。一般的には「アクワイアラー」といいます。
アクワイアラーへのアクワイアリング手数料
アクワイアラーは手数料を請求し、これは加盟店割引レートともいいます。この手数料は通常、トランザクション額のパーセンテージで決められます。
複雑なのは、アクワイアラーから請求されトラザアクションの合計が、複数の異なる手数料に分割されることです。これらの手数料はトランザクションフローの中で、様々な当事者によって請求されます。
他の当事者は主にカードスキーム(ブランド)と発行銀行であり、それぞれがスキーム(ブランド)手数料と交換手数料を請求します。また、認証(3Dセキュア)、リスクマネージメント、トークン化、決済端末、ゲートウェイサービスなどのトランザクション関連サービスの料金を契約する場合もあります。
注意もし決済代行業社(PSP)がアクワイアラーでもある場合、PSPがこれらの手数料も請求することもあります。
手数料の透明性がアクワイアラー選定には重要
アクワイアラーの中には、どの手数料がどの当事者に支払われるかを開示せず、すべてのトランザクションに対して一律の手数料を課すところもあります。これはブレンド料金モデルと呼ばれ、課金額を簡単に把握できますが、各当事者に対する支払いの透明性には欠けています。
アクワイアラーを選ぶ際は、特定サービスに対して適正な価格であるかどうかを確認し、全ての手数料の内訳を把握することが重要です。
アクワイアリングバンクの例
よく知られている銀行ブランドでは、Wells Fargo、HSBC、JPモーガン・チェース、バンク・オブ・アメリカなどがあります。Adyenのようなテクノロジー主導のプロバイダーも選択肢の一つです。これらの事業者は、グローバル決済処理を最適化できる専用ソリューションを構築しています。
Visa(オーストラリア、シンガポールなど)やMastercard(オーストラリア、シンガポール、英国、米国など)などのカードスキーム(ブランド)により管理されている現地データベースを検索することで、所在地域のアクワイアラーを見つけることができます。特定の銀行やプラットフォーム候補がある場合、直接連絡して「加盟店のアクワイアラーかどうかを確認できます。
トランザクションフローにおけるアクワイアラーの役割とは?
トランザクションフローにおけるアクワイアラー、アクワイアリングバンクの位置付け
簡単に言えば、加盟店は通常、決済代行業社(PSP)と直接取引しますが、お金はアクワイアリングバンクから受け取ることになります。
もう少し詳しく説明すると、トランザクションフローの中で、異なる役割の当事者間のやりとりは以下の通りです:
決済代行業社(PSP)を通じて、オンラインまたは決済端末(POS)で決済を受け付けたとします。このトランザクションを時系列に見ていきましょう。次のステップは?
- PSPはアクワイアラープロセッサーに接続し、スキーム(ブランド)に決済を承認するためのリクエストを送ります。
- このリクエストは発行銀行に行きます。
- 顧客の銀行は、トランザクションを完了するために十分な現金またはクレジットがあるかどうかを確認します。
- トランザクションが承認されると、アクワイアラーは資金を回収します。アクワイアラーは、ビジネス用に設定した加盟店の口座に資金(トランザクション費用を差し引いた額)を確保します。数日以内に、上記金額が会社の口座に送金されます。
- 決済が承認されなかった場合は、その旨と理由がアクワイアラーに通知されます。
このようにさまざまな役割の当事者が関与しているため、トランザクションフローの中で、どの当事者がどのサービスを担当しているのか特定するのは複雑になることがあります。
例えば、PSPは決済を支援するだけでなく、第三者を通じてアクワイアリングサービスも提供しています。この場合一つの決済プロバイダーだけを管理すればよい利便性がある一方、PSPのサービスの裏にどのアクワイアリングバンクとアクワイアラープロセッサがあるのかが把握しづらくなる恐れもあります。
アクワイアリングバンク vs 発行銀行
端的に言えば、発行銀行は顧客の銀行であり、アクワイアリング銀行は加盟店の銀行です。
アクワイアリングバンクは、顧客が支払った資金を、発行銀行から回収して加盟店に送金します。
発行銀行とは、顧客が決済に使用したクレジットカードまたはデビットカードを提供する金融機関です。トランザクションが承認されると、イシュアはアクワイアラーに送金し、アクワイアラーはその資金を加盟店に送ります。
加盟店のアクワイアラー vs. 決済プロセッサー
決済プロセッサーは、厳密に技術的な機能を担っています。プロセッサーは、顧客の決済カード情報を収集して、カードスキーム(ブランド)ネットワークに処理します。
プロセッサーは通常、一方でPSPと連携して取引を開始し、他方でアクワイアラーと連携して取引を処理するための金融機関およびカードスキーム(ブランド)のライセンスを提供します。
PSPは、認証(3Dセキュア)、リスクマネージメント、トークン化、支払い端末、ゲートウェイサービスなども提供します。
あなたのアクワイアラーは異なる役割を担っています。それぞれの決済の技術的なトランザクションフローには必ずしも含まれませんが、あらゆる金融機関と通信して資金を回収し、顧客の購入代金の合計金額を確実に受け取れるようにしています。
国際アクワイアリング
国際販売をする場合、現地のアクワイアラーまたは、あなたのアクワイアラーが国境を越えたトランザクションができる必要があります。
国境を越えたトランザクションは必ずしも面倒なことではありませんが、決済処理で滞る可能性があります。スウェーデンの購入者がクレジットカードを使って英国で行ったトランザクションを例えとします。スウェーデンの発行銀行がアクワイアラーを認識していない場合、または承認リクエストの一部を満たせない場合、リクエストが拒否され、決済は失敗に終わります。
現地アクワイアラー利用とデメリット
現地のアクワイアラー利用で決済拒否を減らすことができます。手数料が安く、承認率が高く、支払いの決済が迅速になります。最大の欠点は、より多くの地域でより多くのプロバイダーを管理する必要があることです。
幸い、一部のアクワイアラーはこの悩みの種を見越して、包括的なソリューションを提供しています。例えばAdyenを使用すると、あなたが事業展開するすべての市場で現地のアクワイアリングライセンスを持つ単一のパートナーと連携できることを意味します。
アクワイアラーが決済を可能に
あなたのアクワイアラーはビジネスの決済処理を背後で支えるエンジンです。トランザクションフローを打通することで、ビジネスで発生した決済を確保します。全ての作業がが、一瞬で完了します。
私はAdyenのプライバシーポリシーを確認した上で、それに基づき私の個人情報が使用されることに同意します。