導入事例

スイスから東京へ:Onがマルチチャネル小売の先頭を走る

Onはテクノロジーを活用する小売企業。店舗決済とオンライン決済の統合により、クロスチャネルのデータインサイトを獲得。日本での顧客体験をレベルアップしています。

8 12月, 2023
 ·  5 分

スイス生まれのフットウェア&アパレルブランドのOnは、機能性とユーザー体験を重視したものづくりを行い、世界中で同じ商品、同じ体験を提供しています。今回の記事では、Adyenの決済ソリューションを活用し、店舗内決済とオンライン決済を統合することに成功した、On Tokyoの事例をご紹介します。

課題:マルチチャネル小売の実現で、販売チャンスを増やす

日本市場に参入する外国の小売業者にとって、日本の消費者の好みを予測し、彼らを満足させることは、容易ではありません。斬新さやハイテクなものに対する高い需要はありますが、消費者は馴染みのあるものにも惹かれ、使い慣れたブランド、製品、体験を信頼しています。

また、日本はもともと、現金主義が根強い社会。しかし、パンデミックが招いた行動様式の変化によって、キャッシュレス決済の人気が急速に高まっています。消費者の決済全体に占めるキャッシュレスの割合は2022年には36%となりましたが、10年前はわずか15%でした。この変化はEコマースの台頭と時を同じくしています。つまり、消費者が選択肢の豊富さと利便性の高さを優先し、新たな生活習慣が生まれていることの表れだと言えるでしょう。

それでも、日本の消費者の購買体験の要は、依然として実店舗です。

「顧客はフィット感やサイズを重要視しています」On Tokyoのストアリーダー、松尾僚介氏は語ります。「購入を決める際、店舗体験は欠かせません」

オンラインとオフラインの購買をシームレスに切り替えたいという消費者の需要も高まっており、Adyen Japan 2023リテールレポートによると、昨年対比36%となっています。Onは利便性と顧客体験をバランスよく提供するために、システムを統合してバックオフィス業務を合理化しつつ、変化する顧客の嗜好に柔軟に対応できるオンライン&実店舗の決済ソリューションを導入する必要がありました。

松尾氏はこう述べます。「私たちには、成長するためのイノベーションと、デジタル化をサポートしてくれるパートナーが必要でした」

解決策:決済ソリューションとの併走

高性能で高品質な商品は、顧客がどのチャネルを利用するかに関わらず、Onのコアとなるものです。Adyenのユニファイドコマースを利用することで、Onはオンラインとオフラインのチャネルをシングルプラットフォームに完全に統合し、日本独自の先進的なカスタマージャーニーを実現することができました。

Onは2022年、アジア太平洋地域初の旗艦店を東京にオープンし、Adyenの対面決済システムを導入。モダンで合理的なストアデザインにフィットするレジ無し決済を取り入れました。

「AdyenはOnのビジネスについて学び、AdyenとOnのシステムが連動するように、緊密に連携してくれました」松尾氏は続けます。「Adyenの競合他社では、このようなことはありませんでした」

On Tokyoは豊かな顧客体験を創造する場として設計されています。顧客はパーソナライズされた多面的なカスタマージャーニーへと誘われ、販売チャネルの垣根は取り払われ、Onのイノベーションが引き立てられています。

店舗決済とオンライン決済の統合によって、Onは全チャネルの取引をシングルプラットフォームで、そしてエンドツーエンドでコントロールできるようになりました。それは、パフォーマンスの最大化に注力するブランドにとって、非常に重要なことでした。

松尾氏は次のように述べています。「Adyenのシステムは非常にシンプルで、サービスも的確。Onにとって完全なパッケージ、完全なシステムです」

松尾氏によると、Adyenの競合他社も類似のソリューションを提供しようとしているものの、システムはつぎはぎ、テクノロジーは時代遅れで、動作は遅い。それは顧客体験のフリクションとなる懸念があったとのこと。

さらにOnは、顧客が望む方法で支払いを行えるように、多様な決済方法を提供することも重視していました。

「配送代引きなど、さまざまな決済方法を希望する方がいらっしゃいます。顧客の好みに合う幅広い決済方法を提供することはとても大切でした」松尾氏は言います。

結果:生産性向上と承認率アップも達成

Adyenのプラットフォームは、Onのオンライン決済も対面決済も強化し、顧客体験の改善、オペレーションの合理化、データに基づく意思決定にも役立っています。

取引の概要を一元管理することで、Eコマースと実店舗のさまざまなカードブランドと決済方法に関する全報告と請求書をひとつのレポートに統合。照合が容易になり、バックオフィスの生産性も高まったといいます。

さらに、日本向けEコマースにAdyenの国内アクワイアリングを導入したことにより、導入翌月の承認率は7%以上アップしました。

一方、旗艦店の店内では、キャッシュレス化によってレイアウトやカスタマージャーニーを簡単に管理できるようになり、より有意義な対面接客が可能に。自由に空間をデザインでき、スペースを最大限活用できるということです。

「このソリューションのおかげで現金もレジも不要になりました。どのストアスタッフでも会計作業を行えますし、ストアの構造にも柔軟性が生まれました」と語る松尾氏。

「顧客はこのような店舗経験に慣れていないようで、Appleストアと比較しています。これは大きな驚きでした」


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