ガイドとレポート
ホスピタリティビジネスに自動化技術をフル活用
ホテルおよびホスピタリティ業界の企業が自動化を活用してビジネスチャンスを掴む方法について、AdyenのMark Rademakerが解説します。
執筆者について
Mark Rademakerは、Adyenのアジア太平洋地域トラベル&ホスピタリティ決済のリーダーです。トラベルおよびホスピタリティ業界の決済におけるフリクション削減を専門とするグローバル戦略ビジネスリーダーとして、デジタル技術とフィンテックを活用するクリエイティブなソリューションを推進しています。
今回はホスピタリティ業界の皆様に向けて、Adyenのシングルプラットフォーム決済ソリューションについてお話しします。
Adyenは、決済分野でイノベーションを推進するホテルを支援するため、オンラインバンキングサービスやデジタルウォレットなどの新しい決済方法をEコマースやホテル施設内で提供しています。つまり、ホスピタリティブランドのビジネスニーズに最適なソリューションをご用意しています。
また、Adyenは、プロパティマネジメントシステム(PMS)とも統合でき、コストダウン効果や新しい顧客体験の実現も可能にします。AdyenのOPI統合は、複数のプラットフォームを利用しているホテルで、すぐに導入できる統合機能です。これにより、手作業のプロセスを自動化し、PCIスコープを削除して、ゲストジャーニーを向上することができます。さらに重要なのは、統合ソリューションの導入が、ゲストにユニファイドコマースの利点を享受していただく第一歩になることです。
自動化とはロボットだけではなく、プロセスをシンプルにすること
ロボットが届けるルームサービスというのは斬新なアイデアの一例ですが、すでに多くのホテルが、AI、音声操作のボット、デジタルキーなどの採用を検討し始めており、ある程度うまくいった例も見受けられます。アイデアや新しい技術を受け入れるのは素晴らしいことですが、損益に効果をもたらす、さらに大きなビジネスチャンスがあります。たとえば会計の自動照合です。
以前お会いしたホテル経営者は、人件費を削減するため、自動化の方法を見出すことに注力しておられました。独立(スタンドアロン)の決済端末を無くして完全に統合されたソリューションに移行すれば、財務部門の作業は激減します。
統合ソリューション導入の利点として、ナイトオーディット(会計レポート作成などの夜勤業務)、決済端末の締め処理、銀行決済と売上の一致確認を行う必要がなくなります。端末でカードをエントリーする必要もなくなり、フロントデスクマネージャーは、ゲストのおもてなしという最善を尽くすべき仕事により多くの時間をかけることができるのです。Adyenの統合ソリューションがフロントデスクのNPS(ネットプロモータースコア)を改善することは実証されています。一部のホテルパートナーは、自動化によって、手作業の照合にかけていた8〜10時間を削減できたと述べています。
自動化はレストランでも導入されています。顧客は、会計をテーブルで済ませるかカウンターで行うか、柔軟に選ぶことができます。また、事前注文による迅速な会計やロイヤルティプログラムなどを通じて、効率化も実現します。
点と点をつないでゲスト体験を強化
昨今のゲストは、常にネットワーク環境を利用し、デジタルに精通しています。そして、迅速でフリクション(決済を妨げる摩擦)のない決済プロセスによる利便性を求めています。このため、ゲストが好む決済方法でゲストの体験をパーソナライズし、思いのままにコントロールできるようにする必要があります。
カギとなるのは顧客体験。ゲストが求めるものを提供することが重要です。チェックインをキオスクやモバイルアプリから、あるいは客室内で行うなど、柔軟に対応しましょう。ゲストが予約に対して支払いをする時点で、決済情報がホテルのPMS*に自動的に提供されます。リピーターのゲストには、カード情報をトークン化して、さらにスムーズなゲスト体験を提供します。トークン化によって、ゲストはチェックアウトの列に並ぶことなく、颯爽とホテルを出発することもできます。
統合ソリューションのさらなる利点として、インサイトの獲得があります。よく知られているように、ホテルブランドはロイヤルティの高い顧客の消費を追跡するのに優れています。では、ホテルに宿泊していないゲストについては、どのようにして把握するのでしょう。食事や会議、友人との約束でホテルを訪れる顧客に対しても、ビジネスチャンスが眠っています。
Adyenのデータは、より適切なインサイトを活用して付帯収入を増やしたいと考えるホテルのニーズを満たします。週末のブランチの売上の国別内訳をリアルタイムに把握したり、カード情報とロイヤルティ情報を関連付けて購入者に対するインサイトを得ることでオーダーメイドのスパパッケージの販売促進を行ったり、飲食施設で事前注文を扱ったりすることも容易になります。
将来性のある決済戦略へ
決済環境は絶えず変化しており、多くのビジネスチャンスをもたらす一方、ホテル経営者に今後の課題を数多く突き付けています。ホテルは、OTA手数料の引き上げによる負担を抑えるため、直接販売のチャネルにより注力する必要があるでしょう。しかし、適切なユニファイドコマースソリューションがなければ、PCIコンプライアンスが確保されない事態に陥ります。顧客情報を安全に保ち、PCIスコープを削除する必要性は高まる一方です。
顧客の期待を高めるには、チャットボットやモバイルアプリのサポートを利用して購入意欲を満たす必要もあります。決済には特に注意を払わなければなりません。ネットワークトークンは、ゲストがサードパーティから購入する際(配車サービス、ショーのチケット、フードデリバリーなど)、ホテルがフリクションのない購買を提供するのに役立ち、コンシェルジュの仕事を新たな収益源として再生させます。このような未来はすぐ目の前に迫っています。ですから、準備を整えるためのパートナーを見つけておくことが重要です。
Adyenは、決済方法を整えることがイノベーションの推進力になり得ると認識しています。決済は、財務だけの問題ではありません。ホテルがカスタマージャーニーを提供する際にも、レベニューマネージャーがより適切なカスタマーインサイトを確保する際にも、大きな効果をもたらします。これを可能にするのが、統合ソリューションです。
自動化は、IT維持管理費の削減を含む業務コストの削減を通じて、ビジネスの効率化を推進し続けています。さらに、ゲストとの関係管理の強化によって、滞在期間の拡大、クロスセルの促進、顧客ロイヤルティと顧客維持率の向上が実現し、ひいてはホテルの収益拡大につながります。
Adyenのホスピタリティビジネスソリューションについて、詳しくはお気軽にお問い合わせください。
*PMSおよび統合機能によって異なります。
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