導入事例
Oetker Collection:ゲスト体験のマスターピースを創造する
統合された決済システムがどのようにOetker Collection(オトカーコレクション)のゲスト体験を向上させているかをご紹介します。
Oetker Collectionでは、「マスターピース(傑作)」と「エクスペリエンス(体験)」に密接な関係があると考えています。世界各地にあるホテルそれぞれを芸術作品として捉え、ゲストの旅の全行程で優美さと快適さを提供することを目指しています。その舞台裏を支えているのが、Adyenの単一プラットフォームです。決済を一元化し、ゲストのデータを保護し、業務の合理化に役立っています。
Adyenは、2019年からOetker Collectionと提携しています。最新ホテルであるジュネーブのThe Woodwardホテルとも、2021年秋のオープン以来、提携関係にあります。
今回はThe Woodwardに焦点を当て、優れたゲスト体験を提供するために何が必要か、そして統合された決済システムがどのように成果を実現しているかについて、Oetker Colletionのビジネスアプリケーション担当責任者のSophie Beyrand氏と、情報システム&テクノロジー担当ヴァイスプレジデントのChristos Andreopoulos氏にお話を伺いました。
課題
革新性と優美さのバランス
Oetker Colletionは、新しいホテルを毎年1軒ずつ増やし、グローバルに展開することを目指しています。また、世界各国にあるホテルの個性を保ちつつ、全ホテルで一貫した、安全でシームレスなゲスト体験を提供することを目標としています。
Oetker Collectionが直面していた課題は、ホスピタリティ業界では珍しいものではありませんでした。それは、複数のパートナーや第三者組織との連携による決済業務の断片化や、セキュリティ基準の厳格化、新しいホテル管理システム(PMS)への決済機能の統合などです。
特にOetker Colletionでは、効率性とセキュリティのニーズと、ゲスト体験のパーソナライゼーションとの間でバランスを取る必要があり、決済テクノロジーの刷新は、そのための重要な第一歩でした。
「私たちは、競合他社に先んじることよりも、イノベーションを通じ、将来の課題に対するソリューションを見つけることを重視しています。私たちは立ち止まることなく、未来を見据えています」とChristos Andreopoulos氏は言います。
ソリューション
多数のプレーヤーから単一のプラットフォームへ
複数のシステム、代理店、第三者組織にまたがる決済業務をどう処理するかは、ホスピタリティ企業各社にとって共通の課題です。これらの決済をひとまとめにすることで、各オペレーションをつなぎ、手頃な費用で対応できるようになるため、Oetker Collectionは、決済機能の一元化に未来を見出しています。同社のホテルの中でも特にThe WoodwardがAdyenの統合決済テクノロジーを採用しているのはそのためです。
ゲストは、Oetker Collectionのどのホテルでも、信頼性と一貫性のある決済体験を享受でき、いつでもどこからでも、好みの方法で支払うことができます。なお、Oetker CollectionとAdyenの提携関係の結果、追加の契約や設定をしなくても、ゲストに最適な決済手段を提供できるようになっています。
Oetker Collectionの決済機能が全チャネルで統一されたことにより、The Woodwardのスタッフもメリットを体感できています。レポーティング業務に費やす時間が減り、ゲストの嗜好に関するデータインサイトのレビューにもっと時間をかけられるようになったため、ゲストのニーズに細かく対応できるようになったのです。
スタッフに適切なツールを提供
Oracle社のOPERA PMSと統合されたAdyenの決済テクノロジーは、ホテルのスタッフが必要とするあらゆる機能やツールを提供できます。具体的には、予約への対応、ゲストのチェックインとチェックアウト、客室の割り当て、客室の在庫管理、館内でのゲストのニーズへの対応、会計および請求業務など、実に多岐にわたります。
Sophie Beyrand氏は、サポート体制の整ったOracle OPERAとの迅速な統合は、オープン前からThe Woodwardの成功に不可欠だったと語ります。
OPERA PMSは、ホテルの業務全体を通じ、より明快なコミュニケーションを実現します。電話オペレーターやフロント係は、自ホテルや他ホテルのゲストの情報を素早く見つけられますし、タイムリーで正確なメッセージング機能とロケーターサービスにより、ゲストの満足度も向上します。
ホテルのすべての決済情報を一元化し、間接費を削減する一方で、ゲストのニーズに効率的に対応するために必要なあらゆる情報を従業員に提供できます。
トークン化によるセキュリティとゲスト体験の向上
The Woodwardでは、ゲストの個人情報は予約の瞬間から滞在終了時まで守られます。
トークン化により、ゲストの機密データをトークンと呼ばれる一意の識別子に置き換えます。その結果、ゲストはカードの提示やコードの入力、請求書へのサインをしなくても、ドリンクやポストカードを購入したり、スパでのトリートメントを予約したりすることが可能になります。またThe Woodwardは、PMSを通じてのみ、暗号化されたトークンにアクセスできるようにしているため、データ漏洩や不正行為のリスクを減らすことができています。
The Woodwardは以前からセキュリティを重視していましたが、さらに著しい改善を実現できたため、すでに7つのホテルにこのテクノロジーを導入済みです。
Oetker Collectionの今後のグローバル展開では、PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)の遵守を維持する上で、さまざまなパートナーシステムや国にわたってゲストのデータを保護し、ゲストの体験をサポートすることが極めて重要です。トークン化は、Oetker Collectionが規制の異なる国や地域でもコンプライアンスを維持しつつリスクを軽減するためにも役立ちます。
「ホテル業界では、常にイノベーションを起こし続けることが重要です。ゲストの体験だけでなくセキュリティも改善できれば、ウィンウィンの状況を実現できます」とSophie Beyrand氏は言います。
トークン化のメリットは2つあります。すなわち、ゲスト体験の向上と、ゲストの滞在全体を通じたデータセキュリティの確保です。
新時代のゲスト体験のためのイノベーション
ラグジュアリーホスピタリティ業界は常に進化し続けています。再来を促すゲスト体験への創意工夫は、細部にまで及びます。名画の前に立つ時と同じように、ゲストの記憶に残る「感動」を生み出すことが大切です。The Woodwardの事例が示す通り、適切なフィンテック・ソリューションを利用すれば、ホテルはデジタルに精通したゲストのニーズに対応でき、日々の事業運営を今まで以上に最適化してくことが可能になります。
私はAdyenのプライバシーポリシーを確認した上で、それに基づき私の個人情報が使用されることに同意します。