Merlin & Adyen
Merlin Entertainments、不正通知の40%削減&承認率の2%向上を実現
レゴランド®・ディスカバリー・センター東京やマダム・タッソーなど、世界的に有名なアトラクションを運営する Merlin Entertainments。世界有数のエンターテインメント企業である同社にとって、ゲストとのあらゆる接点を「ストレスフリー」に保つことは最優先事項です。
同社のグローバル・ペイメント・リスク責任者であるCarl Mason氏は、決済体験の重要性について次のように語ります。
「ゲスト体験は、アトラクションに到着した瞬間ではなく、ウェブサイトを訪れた時から始まっています。決済がスムーズにいかなければ、ゲストの期待を裏切り、離脱を招くことになりかねません。だからこそ、優れた決済体験を提供することが不可欠なのです」
しかし、年間数千万人にのぼる正当なゲストに紛れ常に不正利用の機会をうかがう悪質なユーザーがいることも無視できません。ビジネスとゲストの双方を保護しながら、いかにして「魔法のような体験」を維持し続けるかーーMason氏率いるチームは、この難題に日々取り組んできました。
課題:静的なルールベースの対策の限界
年間6,000万人以上のゲストが訪れるMerlin社は、盗難カードでチケットを購入し転売を企てる不正者の標的にもなりやすく、高止まりするチャージバック率が大きな課題となっていました。
同社は従来、静的なルールベースのシステムで不正に対抗してきましたが、この手法には対応スピードの限界がありました。 Mason氏は以下のように語ります。 「チャージバックが急増してからデータを分析し、共通点を見つけ出してルールを作成するというプロセスでは、ルールが適用される頃には不正の手口がすでに変化していることが多々ありました。いわば、終わりのない追いかけっこを続けている状態だったのです」
また、自社のデータのみに依存するルールでは、不正者と正当なゲストを正確に見分ける「微細な判断」が困難でした。例えば、海外のホテルから直前に予約を入れる家族連れが、画一的なルールによって「疑わしい取引」と誤判定されてしまうリスクがあったのです。
ソリューション:AIと機械学習による動的な防御策
Merlin社はAdyenとのパートナーシップを通じ、AIを駆使したリスク管理ソリューション 「Protect」 を導入しました。これにより、カスタマージャーニーを妨げることなく、リアルタイムで不正を検知する体制を構築しました。
「Protect」 は、Adyenが世界中で処理する膨大な決済データをもとに継続的な学習を行い、不審な挙動をより速く、より正確に特定します。Merlin社にとっては、自社サイト内の動向だけでなく、グローバルなネットワークから得られるインサイトに基づいた意思決定が可能になったことを意味します。
その鍵となるのが 「Shopper DNA」 機能です。決済詳細、住所、デバイス情報、取引履歴などのデータポイントを紐付けることで、一人のユーザーの全体像を浮き彫りにします。 Mason氏は次のように述べています。
「たとえ3年前にレゴランド・フロリダで買い物をしたゲストが、昨日イギリスでオンライン予約をしたとしても、同一人物として認識できます。アトラクション全体を通じたゲストの動線が把握できるのは、非常に大きな価値です」
成果:不正の抑制とコンバージョン向上の両立
6ヶ月間にわたるA/Bテストの結果、「Protect」は従来のルールベースを大きく上回る成果を上げました。
不正通知(Fraud Notifications)を40%削減: 決済フローの早期段階で不正者をブロックすることで、チャージバックの運用負荷を大幅に軽減しました。
承認率が2%向上: 不正対策を強化しながらも、正当なゲストの決済を確実に通すことで、コンバージョン率の向上に成功しました。
カスタマーサポートへの入電減少: 決済が完了できないゲストからの問い合わせが目に見えて減少しました。
「ECおよび継続課金の承認率は前年比で2%向上しました。1%の改善にも苦労していた前年を考えると、これは驚異的な成果です。Protectの導入により、目標達成だけでなく、それを大きく上回る成長を実現できました」 Carl Mason 氏 - Head of Global Payment Risk
さらに、チームの運用効率も劇的に改善しました。AIが自動的に手口の変化に適応するため、手動でのデータ分析や複雑なルール管理に時間を割く必要がなくなったのです。
展望:決済を、さらなる感動体験の支えに
決済手段が進化し続ける中、Merlin社はあらゆる接点においてブランド体験と一貫性のある決済体験を提供することを目指しています。このビジョンの実現を支えるAdyenの役割について、Mason氏は次のように話します。
「Adyenは、セキュリティを担保しながらゲストが求める決済体験を実現するための、極めて重要なパートナーです。不正者は常にシステムの隙を狙っていますが、Adyenが常に革新を続けてくれるおかげで、私たちは一歩先を行くことができます」 Merlin社とAdyenの関係は、単なるベンダーとクライアントの枠を超えた「共創」の形をとっています。週次でのミーティングやロードマップへのフィードバックを通じて、現場の声が直接Adyenのツール開発に活かされています。 「この強固なパートナーシップがあるからこそ、私たちは決済の不安から解放され、世界中のゲストに『魔法のような瞬間』を届けるという本来の使命に集中できるのです」 Carl Mason 氏 - Head of Global Payment Risk