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チャージバックとは何か理解し拒否、対策する方法

チャージバックとは何か、仕組み、リスク、回避方法、また発生した場合の拒否、異議申し立て方法を学ぶ。

16 3月, 2022
 ·  1 分
チャージバックを理解し、防止、拒否する方法

チャージバックとは消費者が疑わしい取引に異議を唱える簡単な方法を提供し、消費者を詐欺などから守るために導入されました。ですが企業にとって、フレンドリー詐欺(虚偽請求)の台頭によりチャージバックは収益を脅かす存在となっています。

チャージバックはビジネスにはつきものですが(リスク管理戦略が厳しすぎないことを示す良い兆候でもあります)、減らす方法はあります。

この記事ではチャージバックとは何か、仕組み、リスク、回避方法、又は実際に発生した場合の拒否、異議申し立ての方法について説明していきます。

チャージバックとは?

チャージバックとは、顧客が請求書に反映された請求に対して異議を唱え、支払いが取り消されることです。

例えば:

顧客が受け取った商品に汚損があったり、販売者のミスにより二重請求が生じてしまったような場合、顧客はクレジットカードやデビットカードで支払った取引についてカード発行会社や銀行にチャージバックを申請することができます。

申請が受理されると、顧客には全額が返金されます。しかし売り手はチャージバック請求に同意しない場合、拒否、異議申し立てを行うことができます。拒否申請が受理された場合は、チャージバックを退けることができます。

チャージバックと返金の違い

チャージバックと返金はどちらも資金の返還を伴いますが、内容は大きく異なります。

一般的に、顧客は売り手の返金規定内で直接返金を要求することができます。しかし、売り手が返金要求を受け付けないことがあります。

商品が汚損していなかった、または荷物が予定通りに到着したと売り手が主張する場合などがあります。意見の相違がある場合、顧客はチャージバックを申請する可能性があります。

チャージバックでは、顧客は(購入先ではなく)カード発行会社や銀行に問い合わせて返金を要求します。チャージバックのプロセスには時間がかかり、返金と比較してより多くのステージを踏むことになります。また、チャージバックに伴う手数料は返金よりも高くなります。

チャージバックの仕組み-申請・拒否・返還までの流れ

チャージバックのプロセスは支払いプロバイダーによって異なります。基本的には、買い物客がチャージバックを申請してカード発行会社や銀行が調査を行います。資金が売り手の口座から保留され、買い物客に返還されます。その後、加盟店はチャージバックに対して拒否、異議を申し立てることができるようになります。

詳しく見てみましょう:

1. チャージバック申請

カードの所有者がカード発行会社や銀行を通してチャージバックを申請します。一般的に購入後120日間、カードによっては365日間の猶予が設けられています。

2. チャージバック申請内容の確認

カードの発行会社が調査を行い、理由コードを紐づけ、チャージバックを開始します。

3. チャージバック転送

カード会社はチャージバックを受け取り、アクワイアラーに転送します。

4. チャージバック受け取り・引き落とし

アクワイアラーはチャージバックを受け取り、売り手の口座から資金を引き落とします。また、アクワイアラーは5~100ドルのチャージバック手数料を売り手に請求します。

5. チャージバック拒否・異議申し立て

売り手はチャージバックの詳細を確認し、異議申し立てをする場合は書類を提出します。チャージバックの異議申し立ては、14~40日の間に行わねばなりません。アクワイアラーは、スキームを通じて売り手の決定をカード発行会社に送ります。

6. 拒否・異議申し立て内容の確認

発行者はチャージバック異議申し立て書類を確認し、受理するか拒否するかを決定します。

7. 売り手への資金返還

カード発行会社がチャージバック異議を受理した場合、アクワイアラーは資金を売り手に戻します。

チャージバックの仕組み-拒否申請が受理されなかった場合

カード発行会社が売り手の異議申し立てを拒否した場合は、彼らは抗議が行えます。これはセカンドチャージバックと呼ばれ、多くの場合拒否されます。

カード発行会社がセカンドチャージバックを拒否すると、仲裁と呼ばれる3つ目のラウンドに進むことになります。仲裁は手数料が高く(決済金額に加えて最大500ドル)、あまり推奨されません。

チャージバック申請が受理される理由

カード発行会社がカード保有者のチャージバック申請を受理する場合、理由コードが付与されます。それぞれのカードスキームは異なる理由コードを持ちますが、次のうちのいずれかに当てはまります。

不正

カード所有者は決済を行っていないか、許可していないと主張する。

消費者の異議申し立て

商品が説明と異なる、または予定通りに到着しなかった。カード所有者に支払いが受理されなかったとの連絡があった。

処理エラー

支払い情報の一部に誤りがあった。金額、通貨、口座番号などの情報が含まれます。

オーソリ

決済が承認されなかった、またはオーソリが拒否された。

チャージバック率とビジネスリスク

顧客によるチャージバック申請は避けるに越したことはありません。チャージバック率が高くなればなるほど、加盟店のビジネスリスクは高まります。代表的なリスクについて見ていきましょう。

チャージバック手数料と利益圧迫

チャージバック手数料とは、カード発行会社などから加盟店に請求される手数料を指し、顧客のチャージバック申請が受け入れられた場合はもちろん、十分なセキュリティ対策を講じない中で発生した不正利用に対しても発生します。顧客が申請したチャージバックに対する調査、処理自体はカード発行会社が実施しますが、かかった費用は加盟店に転嫁されます。つまり、チャージバック手数料は、加盟店にとって追加のコストとなり利益を圧迫する要因となります。故に、加盟店は不正利用、チャージバックの発生を最小限に抑える努力をする必要があります。

信用棄損・規約違反による罰則

チャージバック率が高くなると、カード発行会社やスキームからの信用を失うことに繋がりかねません。また、業界によっては一定のチャージバック率を超えた場合に罰則を設けていることもあります。その場合、信用棄損だけでなく、追加コストの発生、利益圧迫をもたらします。

チャージバックを防ぐには

チャージバック率が高くなることによるビジネスリスクはご理解いただけと思います。

チャージバックを防ぐことは、異議申し立てよりも大切です。拒否に成功しても、チャージバック率の算出に含まれてしまうからです。

チャージバックを完全に避けることはできませんが、その数を減らすことはできます。その方法を紹介します:

返品を簡単にする

  • 顧客の返金要求に迅速に対応する

  • 明確な返品ポリシーを設ける

  • Eメールアドレスと電話番号をウェブサイト上に掲載して、顧客が簡単に問い合わせできるようにする

顧客に予定通りに荷物を届ける

  • 実現可能な配送日数を設定し、遅れが生じたら、可能な限り早く購入者に知らせる

  • 予定していた期日までに商品やサービスを提供できなかった場合は自主的に返金を行う

  • 配送状況を追跡して配送日数を確認する。荷物のお受け取り時に顧客に署名してもらう

ミスコミュニケーションを防ぐ

  • 銀行口座やクレジットカードの支払い明細が明確かつ正確であることを確かめる

  • 顧客の質問に迅速に答える

  • 商品が在庫切れの場合にはすぐに購入者に連絡する

  • ウェブサイト上で可能な限り詳細な商品情報を提供する

不正を防ぐ

  • アドレス認証サービス(AVS)やカードセキュリティコード(CVV)、3Dセキュア2などを利用する

  • 不正利用リスク検知システムにより、チャージバックを定期的に行っている顧客のフレンドリー詐欺を早期に特定する

チャージバック拒否・異議申し立て方法

チャージバックを減らすことはできますが、完全に無くすことは難しいものです。顧客からチャージバックが申請された場合は出来る限り拒否・異議申し立てを成立させることが必要となります。チャージバック拒否の方法について見ていきましょう。

期限内のチャージバック拒否・異議申し立て

チャージバックが開始されると、チャージバック通知(NoC)を受け取ります。この時点で、14~40日以内にチャージバック拒否、異議申し立てを行うことができます(カードスキームごとの規定を確認してください)。

チャージバックを受けた理由と拒否、異議申し立ての必要性を理解するために、まずケースと理由コードを確認してください。

チャージバック拒否・異議申し立てを行うべき場合とは?

拒否・異議申し立て

取引は正常に完了したと考える場合

拒否・異議申し立てを行わない

取引が不正に行われたものである


拒否・異議申し立て

取引金額が妥当である場合

拒否・異議申し立てを行わない

取引金額が少額である

チャージバック拒否・異議申し立てを行うためにすべきこと

可能な限り証拠を揃えます。チャージバック拒否、異議申し立てのために、顧客とのやり取りをすべて集めましょう。

  • 過去の購入履歴の証拠

  • カード所有者の住所あてに荷物を届けた証拠

  • カスタマーサービスチームへの問い合わせ履歴

Adyenなどの決済プロバイダーはケースの内容が明らかな場合、自動的にチャージバック拒否、異議申し立てを行います。例えば、カード所有者がチャージバックを要求した際にすでに返金が済んでいる場合、Adyenの自動防御機能が働きます。

異議申し立てを提出すると、カード発行会社は受理または拒否します。


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