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サブスクリプションの3大ハードル - フリクション、チャーン(解約)、不正利用

良質の製品設計だけでは規模拡大には十分に対応できません。3つの決済関連の課題を克服することが、サブスクリプションビジネスの拡大を実現するカギとなります。

11 12月, 2022
 ·  1 分
サブスクリプションの3大ハードル - フリクション、チャーン(解約)、不正利用

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サブスクリプションモデルに人気が集まった理由は明白です。収益の予想がしやすく、顧客の生涯価値も高くなる傾向があり、新規顧客の獲得が容易になります。サブスクリプションモデルに対する顧客の支持は高まる一方です。

サブスクリプションモデルがもたらす機会は、計り知れません。しかし、このモデルの活用へ軸足を移す企業が増えるにつれ、スケールメリットを活かすことは日に日に難しくなってきています。製品またはサービスそのものが主な成功要因である一方で、それが唯一の要因ではなくなってきています。

サブスクリプションビジネスを拡大する上で、忘れてはならない「決済要因」

どの会社も決済の重要性を認識しています。しかし経験上、決済プロセスが自社の事業拡大に与える影響を過小評価しがちです。定期決済が生命線であるサブスクリプションビジネスの場合、それが顕著にあらわれています。

この記事では、サブスクリプションビジネスが持続可能な規模を達成するために解決しなければならない、決済に関する3つの主要な課題にスポットを当てます。フリクション、チャーン(解約)、不正利用の3つになります。新しいスペシャルレポート「新しいサブスクリプションエコノミーにおけるスケーリング」では、これらの課題とそれ以上について詳しく解説します。

課題1 — フリクションの排除

利便性を求める今日の消費者は、サブスクリプション契約に関して、その傾向がより強く見られます。しかし、利便性が優先されると、フリクションが必然的についてきます。

大きなフリクションポイントは初回決済の直前にあり、そこがまさに新規顧客を獲得できるか否かの分かれ目となります。ここで機会逃すと、コンバージョンファネルの最終ステップで顧客を失うことになり、取得コストの無駄と顧客生涯価値の実現を失うことになります。その実際の額は莫大です。カート放棄は、加盟店全体で3000億ドル以上の収益損失をもたらしていると推定されています。

このフリクションの何が原因でしょうか?利便性の裏返となってしまう、選択肢の少なさです。具体的に、ローカル決済手段の不足です。確かに、クレジットカードはグローバルで使える決済手段です。しかし、この大多数だけに焦点を当てることは、重要な少数派を無視することになります。以下に挙げる事例を見てみましょう。

  • デジタルウォレットは、アジア太平洋地域Eコマース決済の約60%を占めている
  • SEPA(単一ユーロ決済圏)はEU(欧州連合)において極めて人気がある

重要ポイントは、決済手段の数を最大化すれば、グローバルへの拡大のチャンスを最大化できます。

幅広いローカル決済を効率的に提供する方法とは?

問題は、いかにコストをかけずに、様々なローカル決済手段を提供できるかです。これは金銭的コスト(たとえば高い処理手数料など)にとどまりません。複数のインテグレーションとAPIコールを管理することは、リソースを消耗させるばかりです。

その答えは、真のグローバルリーチがある「オールインワン/多機能」の決済プロバイダーを探すことです。Zuora/Adyenインテグレーションは、これらの必要条件満たすだけでなく、決済方法を混在させることができることによって柔軟な運用が可能になります。

課題2 — チャーン(解約)の削減

サブスクリプションビジネスは水漏れするバスタブと似ているところがあり、常に水が少しずつ流れ出していくものです。その流出率はチャーン(解約)と呼ばれ、あらゆるサブスクリプションビジネスはこの指標を強く認識する必要があります。サブスクリプションビジネスにとって、チャーン(解約)が少ないほど、顧客の生涯価値は高くなります。

もちろん、チャーンレート(解約率)を削減するには複雑で多面的な問題がからみます。たとえば、アクティブキャンセレーションは(可能であれば)重大な製品変更だけで解決できるかもしれません。しかし、サブスクリプションビジネスには、受動的または不本意な解約に取り組むという簡単な解消法があります。すべてのチャーン(解約)の40%は受動的と推定しており、簡単な解処方は大きな成果につながると見込んでいます。

不本意な解約に対抗するための標準的な対策プロトコルは、決済リトライと顧客への直接の働きかけ(ダニング)を組み合わせたものです。しかし問題なのは次に挙げることです。

決済リトライとダニング戦略を最適化する方法は?

決済リトライは表面上すべてのユーザに同じく見えるかもしれません。しかし決済リトライ戦略は平等には作られていません。大きな差別化要因はタイミングです。決済リトライを決めるタイミングは、とても重要なのです。

データから読み取れる理想的なタイミングに基づいて決済リトライ戦略を最適化しなければ、机の上にお金を置きっぱなしにしているのと同じことになります。これこそ、Zuoraが15以上のトランザクション特性を評価する機械学習モデルを使用して、最適な決済リトライウィンドウを決定している理由です。またこのモデルは、世界の様々なサブスクリプションビジネスを網羅する数千億ドルのトランザクションデータを含んでおり、そのデータセットが常に拡張され継続的に改善されています。

このようなモデルがあれば、ダニング戦略は安心してバックアップの選択肢として残すことができ、顧客側の労力も最小限に抑えることができます。もちろん、これらも完全に自動化され、決済リトライのスケジュールと同期しています。

課題3 — 不正利用のブロック

チャーン(解約)がバスタブの水漏れとすれば、

不正利用は水を汚染させている人に例えられます。課題は、正規の顧客を止めずに、不正利用者の使用を止めることです。

これはまさに紙一重な事です。過度の手作業のレビューがあると、特にボリュームの大きいビジネスは、受け入れがたい機会損失に繋がることが発生します。しかし、自動化は適切に調整されないと、正規の顧客をブロックしすぎて、カスタマーエクスペリエンスを低下させてしまう可能性があります。

さらに、ある業界では当たり前のことが、別の業界では全く異例なことも、課題として挙げられます。サブスクリプションモデルの人気が高まることに伴い、業種も多様化してきています。そして、個々の事業にも特徴があります。

ここで出てくる問題は次に挙げることです。

業界レベルの違いも考慮した、自動かつカスタマイズ可能な不正利用検知システムを導入するには?

スケーリングはボリュームの急増を意味するため、自動化は必須です。しかし、「ワンサイズ・フィッツオール」戦略を一様に適用する代わりに、理想的な不正利用リスク検知・管理システムは、様々な業界において異なる「ベースライン」をすでに考慮に入れておく必要があります。また、企業レベルのインサイトを考慮し、さらにカスタマイズできるようにする必要があります。

これがAdyenのダイナミックリスクマネージメントソリューションの中核であり、業界別に最適化されたリスクテンプレートと便利なカスタマイズを組み合わせることでバランスをとっています。不正利用の脅威は決してなくなりません。しかし常にワンステップ先手を打つことは可能です。

シームレスなサブスクライバー体験の提供によるスケールアップの方法を探る

特に定期的な支払いを必要とする場合は、カスタマーエクスペリエンスにかかってきます。製品の品質もさることながら、サブスクリプションビジネスでは、決済という重要なステップがカスタマーエクスペリエンス全体にどれだけ貢献しているのか、見逃せません。




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